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「神々の黄昏」を意味するラグナロクのストーリーとは

ラグナロク

19世紀のドイツの作曲家、ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーは、19世紀ヨーロッパを代表する作曲家のひとりであり、日本でもよく知られた人物です。
指揮者でもあったワーグナーは、通称「楽劇王」との異名をとるほどの歌劇作家であり、「ロマン派歌劇の頂点」との呼び声も高く、その評価や知名度は、非常に高いものがあります。

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ニーベルングの指環の「ラグナロク」

そのワーグナーが、自身の最高傑作のひとつである「ニーベルングの指環」という楽劇の、最終章のタイトルに採用したのが「ラグナロク」なのですが、日本では、この作品で採用された日本語訳である「神々の黄昏」が、ラグナロクの訳語として定着しています。もともとラグナロクは、北欧神話の世界でいうところの「終末の日」、という意味を持っています。

 

 

初期の北欧神話の文書群であるエッダ

「終末の日」や「神々の黄昏」、一説によると「神々の運命」といった宗教的哲学的な意味を持つラグナロクですが、北欧神話の分類としては、13世紀頃に文書にまとめられた、「エッダ」という北欧神話初期の文書群の中で触れられているエピソードのひとつです。

エッダという文書には、編纂された形態や時代別に、新エッダ・古エッダ・小エッダという分類が存在していますが、ラグナロクはそのいずれにも共通して描かれているエピソードであり、エッダが編纂された時期に、スカンジナビア半島に入ってきたという、キリスト教の影響も大きく受けている、といいます。

とはいえそのエピソードの概要は、「神々の滅亡」という衝撃的なものであり、さらに滅亡に至るまでの道中では、神々を巻き込んだ戦争が描きこまれているのです。

 

 

巨人族と神々が殺しあう?

「神々の滅亡」に至るまでの戦争の概要をお話ししますと、神々は、「巨人族という謎の存在との最終戦争をおこなった」、というのです。

その結果、巨人族はおろか、戦争に参加した神々も、地球上に存在する世界も、そして宇宙さえも滅亡してしまうという、ある意味壮絶なラストを迎えることになります。

このラストこそが「ラグナロク」のエピソードであり、一連の北欧神話の物語のエピローグにあたる箇所になります。神話によると、「ラグナロク」は不可避の必然的な出来事として描かれており、このあたりが、キリスト教における旧約聖書や新約聖書の世界観にも通じるところです。

このエピローグに至る道中において、二人の神が最初のキーマンとなってきます。それが、邪神で火の神のロキと、光の神バルドルである、といいます。ロキは、バルドルを暗殺して、ラグナロクの時期を早め、かつラグナロクを決定的なものとしてしまうのです。

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カテゴリ: その他

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