四柱推命に現れた四神「白虎」が表す意味とは?
別の記事でご紹介した「陰陽道」の占術である「六壬神課(りくじんしんか)」と同じく、古代の中国大陸で興った「陰陽五行思想」をもとにした占術に「四柱推命(しちゅうすいめい)」があります。
日本でも西洋占星術と並んでとてもポピュラーな占いですので、みなさんも一度は触れたことがあるのではないでしょうか。六壬神課がどちらかというと、世の中やその人に起きる出来事を予測するものであるとすれば、四柱推命はその人が持っている命運から、これから起こるであろう吉凶を判断する占いと言えます。
さて、この四柱推命でも六壬神課の「十二天将(十二神将)」が大きく関係して来て、そのなかには東西南北の4つの方位を司る霊獣(神獣)の「四神」が含まれます。
今回は四柱推命において、十二天将で四神のうちの西の方位を司る「白虎」に関係する象意を探ってみることにしましょう。
勇猛だからこそ不運に遭いやすい白虎の星
四柱推命の概要を簡単にご紹介するのはとても難しいのですが、四柱推命とはその人の生まれた年、月、日、時を4つの「干支」を柱として、その人の生まれ持った命運を推し量るものです。特に、五行と十干が十二支によって強さを変化させる「十二運」というものを見ながら吉凶を判断しますが、その補助として「神殺(神殺星)」という特殊星を参考とするのだそうです。神殺とは、神=吉か殺=凶を表すものです。
この神殺は古代から現在に至るまで徐々にその数を増やして、現在は200以上もあるそうですが、そのなかに「白虎殺」というものがあります。
この白虎殺という神殺星は、勇猛にして争いごとを好み、そのために凶害に遭いやすく、だいたいの物事が不運に転ぶとされる、とても嫌な特殊星なのです。どうも四柱推命における白虎の扱いは、決して良いものではありません。
凶事と死を象徴する白虎
十二天将における第八神の白虎の属性は、五行では「金神」、十二支は「申(さる)」、十干では「庚(かのえ)」、陰陽は「陽」で季節は「秋」、方位は「南西」です。つまり白虎とは「庚申(かのえ・さる)の金神」ということになります。
金神というのは、そもそもが金神のいる方位ではあらゆることが凶であるとされるとても恐い方位神で、この方位を侵すと家族7人に死が及ぶ(金神七殺)と言われるほどの祟り神です。
四柱推命にも「金神殺」というものがあって、これは生まれた年と日の干支が同じ場合の神殺だそうですが、女性でこの神殺星があると結婚しても夫とは対立して家庭内は不和となり、やがて離婚や死別となるのだとか。
どうも占いの世界では白虎は凶とされ死にまつわることが多いのですが、これはもともとが太陽が沈む西または西南を表す方位神であり、そこに凶暴な虎のイメージが重なって凶や死を象徴することになったのではないでしょうか。