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四神の白虎は恐ろしい凶将?陰陽道・十二天将における白虎

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中国大陸で興った「陰陽五行思想」が古代の日本に伝わり、日本独自の発展を遂げたものに「陰陽道」があります。陰陽道と言えば平安時代の陰陽師「安倍晴明」が有名ですね。この陰陽道で象徴的に体系化された神に「十二天将(十二神将)」というものがあり、その12種類の神(将)の中には、東西南北の4つの方位を司る霊獣(神獣)の「四神」が含まれています。

陰陽五行思想には、万物を「陰」と「陽」に区分する二元論の考え方がありますが、十二天将では12の神(将)がそれぞれ「吉将」と「凶将」に分かれていて、四神のうちの西の方位を司る「白虎」はかなりの凶将とされているのです。

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天地の出来事を司る十二天将

十二天将は安倍晴明が操った最強の「式神(しきがみ)」とも言われますが、もとは今から2,000年ほど前に中国で生まれた「六壬神課(りくじんしんか)」と呼ばれる占術から来ています。

日本の陰陽道ではこの六壬神課を用いていて、陰陽師にとっては必修の占術でした。六壬神課の占いは、簡単に言うと時刻をもとに天文と「十干」と「十二支」による「干支術」を組み合せて、占う物事を予測し判断するというものです。干支とはつまり「えと」のことですね。ちなみに2017年は、十干が「丁(ひのと)」で十二支が「酉(とり)」ですから、「丁酉(ひのと・とり)」の年ということになります。

占術には「式盤」という器具を用いますが、この式盤には地盤と天盤の2つの盤が組み合わされていて、地盤には十二支が記され天盤には十二天将が配置されています。つまり時間と天と地という空間の時空の組み合わせの中で、そこで起こる出来事を司るのが十二天将ということでしょうか。

 

白虎は「疾病喪」の凶将

さて、十二天将における四神の白虎ですが、安倍晴明が撰したとされる『占事略決』という陰陽道の現存する最古の書物には、次のように解説されています。白虎は十二天将の第八神(前後に分けた後の五)で、五行では「金神」、十二支は「申(さる)」、主に「疾病喪」に関わる「凶将」であると。つまり白虎が現れると、疾病や喪つまり死の哀しみに見舞われるということになるのでしょう。

これはおそらく白虎の属性である「五佐」の「蓐収(じょくしゅう)」が、死神の性格を持っていることに関係しているからかも知れません。五佐と蓐収については別の記事でご紹介しています。このほか白虎の属性としては、十干では「庚(かのえ)」、陰陽は「陽」で季節は「秋」、方位は「南西」になります。

一方で六壬神課での白虎の象意としては、道路や旅、活動性や素早い決断などがあります。これは白虎が地を駈ける霊獣であり、風水における「四神相応(しじんそうおう)」でも白虎に相応した地勢が「大道」であることから来ていると思われます。

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