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魔術書『ソロモンの大いなる鍵』『ソロモンの小さな鍵』とは

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イギリスにある大英博物館には、古代イスラエル王国の最後の王であるソロモンが著したという7冊の魔術書が存在しています。

いずれも断片的な内容であり、理解するには解説やまとめが必要な状態なのですが、19世紀頃に活躍したという謎の人物であるサミュエル・リドル・マザーズ(オカルティストとしてはマグレガー・メイザースと名乗っていたようです)がこれらの「ソロモン王が著した」とされている書物を編纂し、後世のオカルティストのバイブルとまで呼ばれる書物を作り上げました。これが『ソロモンの大いなる鍵』です。

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「ソロモンの小さな鍵」は別物?

『ソロモンの大いなる鍵』のもととなったソロモンの書物は、現存する伝承としては最古である紀元1世紀頃のヨセフという歴史家の著書にその存在が触れられているのですが、長い年月をかけて写されている間にもともとの内容とは変化してきているようです。

しかし、「ソロモンの鍵」の本家はこの『大いなる鍵』のほうであり、『小さな鍵』のほうは編者も異なる別物のようです。

前者には、魔術道具の作成方法、儀式のルール、七つの惑星に存在するという霊の降霊術方法、大量のペンタクル(護符、お守り)などが記されています。ぺンタクルは、現在もさまざまな形で引用されていますが、元祖はこの『大いなる鍵』である、といわれています。

後者の『小さな鍵』のほうは、前述したマグレガー・メイザースと同じくイギリス出身のオカルティストであるアレイスター・クロウリーが著したものであるとされ、別名「レメトゲン」とも呼ばれていますが、『大いなる鍵』とは全くの別物のようです。

 

キリスト教では異端扱いされていた?

大小ふたつの種類があり、古写本の再編集版でありながら原本は存在せず、その名にソロモンという王の名が入っているものの、ソロモンが書いた内容であるか否かが不明確であるなど、なんとも謎の多い内容を持つ『ソロモンの鍵』という書物なのですが、そもそもソロモン王は天使から授かった指輪をもって悪魔を使役していた、といいますから、より具体的な「天使や悪魔と交信する方法」が何らかの形で伝承され続けていたとしても、不思議ではありません。

謎の部分が多い根本原因としては、悪魔に関する記載が多いことから、西欧の代表的宗教であるキリスト教において、17世紀当時から異端扱いされていたことがあげられます。

15世紀頃にギリシャで作成されたという説も持っている『ソロモンの鍵』ですが、不確定要素がより多くなっている現代においても、信奉者は増加傾向にある、とのことです。

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カテゴリ: その他

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