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旧約聖書に登場する古代イスラエル王国とソロモン王の統治

予知夢
古代イスラエル王国は、紀元前11世紀頃から紀元前8世紀頃まで、ユダヤ人による統一国家としては、歴史上唯一この時期に実現され、栄華を誇っていた国なのですが、この王国の最後の王となったのがソロモン王でした。

ソロモン王は、知恵のある王として、旧約聖書にも叡智溢れるエピソードをたくさん残していますが、後年のヘレニズム期には、悪魔を支配する王としてのイメージが浸透しています。

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12部族をひとつにまとめたダビデ王

ソロモン王の父である第2代国王のダビデは、それまで統一されていなかったイスラエル国内の12部族をひとつにまとめ、現代においても聖地とされているエルサレム、および自身による君主政治を中心とした国家建設をおこないました。

当時の世界情勢として、周辺の大国であるヒッタイトの滅亡や、エジプトやアッシリア、バビロニアといった諸国が勢いを失いつつあったことも後押しして、世界各地で新興国が勃興していたのですが、イスラエル王国もそのひとつとして着々と勢力を拡大していきました。

 

イスラエル王国をさらに強化

ダビデ、その前の初代イスラエル王であるサウルの後を継いだソロモン王は、イスラエル王国をより強大なものにすべく、奔放しています。衰退しつつあったエジプトをはじめとした近隣国との政略結婚や、諸外国との交易の拡大など、実務的な手腕も相当なものであったことがうかがえます。

近代国家にも続く官僚制度の確立や、エルサレム神殿や都市の建設といった大規模な土木工事もおこなっています。特にエルサレム神殿は、当時の民衆の生活や宗教など、精神的支柱の役割も果たしていた、といいます。このあたりでは、まだ悪魔的な要素は見当たりません。

 

統治者としての翳り

ヤハウェから与えられたという叡智を駆使して、数々の国家的難題を解決し、国家の勢いをより強固なものに育て上げてきたソロモン王ですが、晩年は必ずしも輝かしいものではなかったようです。

長年ユダヤ教を中心とした決断をおこなってきたソロモン王なのですが、晩年になってユダヤ教以外の信仰も容認するようになり、結果的に厳格なユダヤ教徒から「偶像支配」などの強い批判を受けるようになります。もともと12部族をひとまとめにしたことで見えにくくなっていた部族間の違いが、この出来事をきっかけとなって、宗教間の対立の激化にまで及んでしまいます。

また、大規模な土木工事を推進したことによる重税の問題や労働者のブラック問題、利権発生による政治腐敗、さらには官僚制を巻き込んだ富の偏在、格差の顕在化などが一気に噴出します。

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カテゴリ: その他

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