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アブラハムとソロモン:旧約聖書に描かれた古代イスラエル

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キリスト教やイスラム教のベースとなり、文字通りバイブルともいえる書籍である旧約聖書に登場するソロモンは、紀元前1600年頃に古代イスラエルの国家を率いたという伝説の人物なのですが、その実在性や人物像は、史実としては明らかになっていません。しかし、キリスト教やイスラム教の浸透とともに、長い期間をかけて、多くの人々に知られる存在となっています。

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アブラハムが拓いた古代イスラエル

旧約聖書には、天地創造を表現している「創世記」や、ノアの箱舟で有名なエピソードである「ノアの洪水」といったさまざまなユニークな記載がありますが、その多くは古代イスラエルの伝説的な出来事を、神話的な解釈で描いているものであり、現代史学が整備されるまでの長い期間、「イスラエルの歴史」として圧倒的な存在感を示してきました。

なかでもアブラハムという人物は、イスラエルを拓いた人物として、その後離散することになるイスラエルの民の精神的支柱、アイデンティティの確立に、多大な影響をおよぼすことになります。日本に存在している神話の書である日本書記に例えれば、「天照大神」のような存在がアブラハムである、といえそうです。

アブラハムは、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の信仰の始祖とされ、「最初の預言者」、「信仰の父」と呼ばれています。アブラハムの話は、紀元前2000年頃のエピソードとして描かれています。ここから、古代イスラエルの歴史が始まっています。

 

アブラハムから千年後に登場したソロモン

ソロモン王は、アブラハムの逸話のおよそ千年後、紀元前1000年頃に登場した、といわれています。旧約聖書では「列王記」という章で、さまざまな伝説的なエピソードに触れられています。

ソロモンは、初代イスラエル王であるサウル、羊飼いから身を起こし、サウルに仕えてイスラエル王となったダビデに続く第三代の王であり、ダビデを父に持ち、人妻でありながらダビデに口説かれて妻となったというバト・シェバを母として生まれています(このあたりのエピソードは、旧約聖書の「サムエル記」に描かれています)。

一般に宗教では、姦淫は罪として断罪されることが多い事象ですが、ダビデも例にもれず、神である主の逆鱗に触れ、子のひとりを重病で亡くしたり、また別の子に反乱を起こされるなどしましたが、最終的には、息子の一人であるソロモンが、王位を継承することになります。このように、ソロモン王の伝説の背景には、宗教的な罪の要素も少なからずあったようです。

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カテゴリ: その他

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