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錬金術の源流:アレキサンドリアで活躍した錬金術師ゾシモス

予知夢
 
今もエキゾティックな魅力を放ち続けているエジプトのアレキサンドリアは、昔から不思議な事象や謎の建造物を擁している都市としても有名です。

そんな土地柄が関係しているのか、アレキサンドリアが実は錬金術のルーツである、との説も存在しています。アレキサンドリアは、何名かの著名な錬金術師を輩出しているのですが、その中でもパノポリスのゾシモスは、代表的な錬金術師のひとりとして、今も語り継がれ続けています。

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賢者の石に通じる物質の記述

錬金術では、「そのものずばり」を記載するのではなく、暗喩ともいえる秘匿性の高い記述をおこなって、後世の人々にさまざまな解釈を与える、といった手法で文書を残すことが少なくありません。

そのルーツが、3世紀頃に活躍したといわれているパノポリスのゾシモスで、「石でであるが石ではなく、誰にも知られていないが万人に知られているという石」という、不思議な表現の文書を残しています。また、類義語や象徴文字、はたまた暗号による表現など、一見して何を伝えているのかがわかりにくいという、後世の錬金術師の多くが好んで使用する手法を、最初に編み出した人物である、とされています。

ゾシモスは、当時としてはかなり多くの著作も残しています。『最後の勘定書』、『オメガ文字について』、『イマーム』などが、よく知られているところです。

 

錬金術の百科事典を最初に著した人物

またゾシモスは、『錬金術の百科事典』を最初に著した人物としても知られています。

『錬金術の百科事典』に記載されている内容は、そのすべてがゾシモスによる創作というわけではなく、彼が活躍した3世紀よりも古い時代に蓄積された、錬金術の手法を取りまとめた部分も多くみられ、エジプトの古い魔術や、ギリシャの哲学、グノーシス主義、古代キリスト教神学、新プラトン主義など、神秘主義的な思想も多く取り入れています。

こういった過去の学問を自身の著書に取り込んでいる理由としては、過去の権威的な思想や人物を語ることで、自身の権威の底上げを図るとともに、後世における錬金術の解釈の多様性を意図的に作り上げる、といった思想も見え隠れしています。

このあたりが結果的に錬金術のあいまいさや、非科学的な側面を大きくしてしまった要因でもあるのですが、一定の「神秘性」をまとうことになったことも事実です。ゾジモスが残した錬金術の集大成ともいえる百科事典は、19世紀に入ってから、ペルドロとルエルという人物によって、出版もされています。

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カテゴリ: その他

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