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経済学者ケインズが傾倒した物理学者ニュートンの錬金術研究


 
20世紀の経済学者の第一人者であり、「20世紀の最重要人物のひとり」とも称されている、イングランドの経済学者にして貴族、官僚でもあるジョン・メイナード・ケインズは、物理学者アイザック・ニュートンの錬金術研究に、非常に興味をもって接した識者のひとりとして知られています。

ケインズが提唱していた理論は「ケインズ経済学」として有名ですが、ニュートンの錬金術研究とは、どのような関連性があるのでしょうか。

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確率や不確実性と錬金術

ケインズは1905年、イングランドのケンブリッジ大学を卒業しています。アイザック・ニュートンも、1665年にケンブリッジ大学を卒業していますので、250年程度の隔たりがあるものの、「ケンブリッジ大学の同窓生」という共通点があります。

これが関係したのかどうかは定かではありませんが、1936年頃、それまでタブーとされて半ば「無きもの」として取り扱われていた、アイザック・ニュートンによる錬金術関連の文書がオークションにかけられた際には、そのほとんどをケインズが落札した、とされています(サザビーズという世界最古の国際競売会社によるオークションで、現在も存続しており、世界で初めてインターネット上で美術品などに関するオークションを開催したことで有名です)。

ケインズは、1921年に発表した「確率論」や、1923年の「貨幣改革論」、1930年の「貨幣論」など、ニュートンの文書を入手する以前に、既に経済学の世界で明確な立ち位置や地位を獲得していました。

ベースにあるのは「経済の不確実性」であり、予測不能な不確実性の高い投資活動のなかでの投資家の心理をあらわす「アニマル・スピリッツ」などの言葉を世に出しています。

 

生涯にわたりニュートンの錬金術関連文書を集めたケインズ

ケインズは、経済学の分野で名を成したあと、1946年に亡くなるまで、生涯に渡ってニュートンの錬金術関連文書を集めていました。その多くはのちに奇書収集家のアブラハム・ヤフダという人物に渡っています。

1951年のヤフダの死後は、文書のほとんどは1948年に建国されたイスラエルにある、国立図書館で管理されることとなり、その後同国のへブライ大学に保管されている、とのことです。

経済学者であるケインズが、ニュートンの錬金術へのアプローチに興味を示し、その後蔵書のほとんどがイスラエルに渡っていることは、錬金術が持つミステリーの要素を十分に示す事実である、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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