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「賢者の石」のレシピ?スターキーの文書とニュートンの走り書き


 
2016年に化学遺産財団の手に渡った「アイザック・ニュートンの錬金術に関する写本」は、中世ヨーロッパの錬金術師、ジョージ・スターキーの「賢者の石の作り方」をもとに、現実的な科学技術についての見解が、直筆で記載されている、といいます。

水銀と金の加工が何度も繰り返し記載されているという「賢者の石の作り方」に対するニュートンの解釈は、どのようなものだったのでしょうか。

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光学の発見に貢献した錬金術

この文書の裏面には、ニュートン自身が記載したとされる、文書、ひいては錬金術に対する多くの見解が示されています。

この中には、のちのニュートンの光学研究の発見につながるものもあります。そのひとつは、「白い光」に関するもので、「白い光はさまざまな色の光が混ざった結果生み出される」という革新的な発見は、この文書上のニュートンの記載のなかにも見ることができるそうです。

錬金術の世界では、化合物を分解したり、分解後の要素を再構成したり、といった手法を基本としていますが、こういった考え方が、ニュートンの発見に大いに貢献したのではないでしょうか。

 

鉛鉱石による錬金術を考案

文書の裏に記された、ニュートンの走り書きの中には、光学や物理学に関する記載のほかに、錬金術そのもの、つまり「卑金属を貴金属に変える」方法にも触れているものもあります。鉛鉱石を使って金を生成する方法、というもので、これについてはニュートン自身が考案して記載したもの、と思われます。

アイザック・ニュートンが、「賢者の石の作成」に成功したか否かは不明ですが、少なくとも錬金術に触発された、または錬金術の手法やその実現性に肯定的な考えを持っていたことは、うかがい知ることができます。

 

文書はオンラインで公開間近?

このように、アイザック・ニュートンが、錬金術に接近し、彼自身が実際に卑金属を貴金属に変えるための試みにチャレンジしていたことは明白である、といえそうです。

なお、ニュートンが加筆したという「賢者の石の作り方」の写本は、現在より多くの識者や一般からの解釈を集めるために、化学遺産財団により、写本画像やテキストを電子化して、オンラインのデータベースにて公開する準備を進めている、とのことです。

この結果、はるか中世の昔に考案され、物理学者アイザック・ニュートンの手によって精査された錬金術の極意ともいえる「賢者の石の作り方」が持つ謎が、現在の科学技術や、多くの人々が持つ新しい解釈によって解明されることを期待するばかりです。

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カテゴリ: その他

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