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最後の錬金術師?フルカネリと『大聖堂の秘密』


 
錬金術は、紀元前の昔に概念が誕生していて、アレクサンダー大王の時代にギザの大ピラミッドで発見されたというエメラルド・タブレット(3回転生し、何万年も生きながらえたというヘルメス・トリスメギストスの墓が、ギザの大ピラミッド内に存在し、そこで発見された「錬金術の奥義」を記した碑文)をバイブルとして、15~17世紀の中世ヨーロッパで広まった思想です。

その後世界の近代化の中で、錬金術はオカルトの領域の事象としてすたれるかに見えましたが、近年においても錬金術師を名乗る人物が実在していたそうです。それが、フルカネリです。

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生まれた時期や国などは謎のまま

世界の国の国境や法律、その国に住む人々を管理する手段などが近代的に整備され、歴史上の人物に関する知識も、インターネットなどで簡単に取得できる世の中において、「最後の錬金術師」といわれるフルカネリに関する情報は、今も明らかになっていません。

そもそも「フルカネリという名前も偽名であることから、その正体や生没年は不明のままである」という説が有力ではあるものの、何万年も前の時代ならともかく、20世紀に入ってからの人物の情報としては、極端に少ない、と思わざるを得ません。

彼の功績は二つの著書に集約され、これらがフルカネリの名声を高めることになりました。1926年に発表された『大聖堂の秘密』と、1930年の『賢者の住居』です。

 

ノートルダム大聖堂の秘密

彼が残したふたつの著書は、20世紀に入ってから発表され、日本語訳もなされていることから、まったく実在していなかった人物である可能性は低いものの、フルカネリの正体は、謎に満ちています。著書自体は、どうやらフランスで発表されていて、フルカネリは「フランスのヘルメス学者」として一般的に認識されています。

本格的な錬金術研究に関する著書が少ない近代において、20世紀に発表されているこの見解は、フルカネリを「最後の錬金術師」と呼ぶにふさわしい内容でした。かつてエメラルド・タブレットに刻まれていた碑文が、中世ヨーロッパのゴシック建築のなかに隠されている、というのです。

『大聖堂の秘密』では、ゴシック建築の中でも非常に有名な建築物である、フランスはパリのノートルダム大聖堂や、同じくフランスのプールジュにあるサン=テチエンヌ大聖堂などに施された膨大な量の彫刻に、ヘルメス思想、ひいては錬金術の極意を解くカギがある、と説いています。

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カテゴリ: その他

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