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「錬金術師の祖」ヘルメス・トリスメギストスとは?

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「近代化学の礎」として、中世ヨーロッパの時代に一大旋風を巻き起こし、今もなおさまざまな映画やドラマのモチーフとして取り扱われている錬金術ですが、錬金術を研究し、これを駆使して世に広めていたという人々が、いわゆる錬金術師です。錬金術師には、原点といわれ、かつ象徴的な神人(=神や人が融合したような概念)が存在していました。それが、ヘルメス・トリスメギストスです。

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ヘルメス・トリスメギストスが意味するもの

ヘルメス・トリスメギストスという名称は意味を持っており、日本語訳では「3倍(または3重に)偉大なヘルメス」、「3人の賢者ヘルメス」、とされています。いわば「歴史上、または伝説や神話上の神や人がかけ合わさって、できあがった呼称」である、とのことです。

その3人の内訳ですが、まず第一にギリシャ神話のヘルメスという神(エジプト神話のトート神も包含している、との説もあります)、第二にピタゴラスの弟子で、バビロンに実在したヘルメスという人物、第三に後年エジプトに実在した人であり、これら3人の賢者があわさった存在が、ヘルメス・トリスメギストスである、というのです。

 

紀元前から存在したヘルメス・トリスメギストス

「3倍の偉大なヘルメス」という象徴的なキーワードは、「錬金術師の祖=伝説の神人」といわれるようになるはるか以前から存在していたといわれ、最も古い記録では、紀元前172年頃のエジプトにおいて、既に「ヘルメス・トリスメギストス」という言葉として使用されていた、とされています。

しかし、「トリスメギストス」という言葉に関する起源には異説もあり、2世紀頃に活躍したアテネの弁証家で、キリスト教徒でもあったアテナゴラスと、ほぼ同じ時代に存在していたビュブロスのフィロンが起源である、と主張している学者もいます。

このキーワードが語源となり、「3倍偉大なヘルメス」のほかにも、「ヘルメス思想」という言葉が作られています。これは、錬金術に象徴されるような「世界の神秘思想」をすべて体感しようとする思想を指しています。

 

トリスメギストスというキーワードの謎

それでも、「ヘルメス」という神または人としての名前はともかく、「3」という数字をあらわす「トリスメギストス」が組み合わせられるに至った理由の解釈には、非常に多くの説があり、今も謎に包まれています。

しかし、解釈に共通しているのが、ギリシャ神話やエジプト神話、ローマ神話など、大昔から伝承されてきた「神話」の存在と、キリスト教をはじめとした宗教を取り巻く価値観や、普遍的な思想です。

根底には、「あらゆる宗教や神学の背景には、唯一の真実が存在している」という考えがあり、これを象徴的に著している数値が「3」である、というのです。

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カテゴリ: その他

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