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薔薇十字団は黒い白鳥?秘密結社が支持された理由

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17世紀頃の中世ヨーロッパの時代、魔術と錬金術のオカルティックな部分に特化して広まったという薔薇十字団という秘密結社と、その創始者として取り沙汰され始めていたクリスチャン・ローゼンクロイツという人物。

これを現代の出来事に置き換えて考えてみると、例えばアメリカの企業家であるイーロン・マスク(スペースX社のCEOで、企業活動の延長線上の予測として「2023年には人類の火星への移住が実現する」、と説いています)や、ECや物流、流通、音楽配信等、あらゆる商業的ジャンルを包括的に飲み込もうとしているように見えるアメリカのAMAZON社のCEOであるジェフ・ベゾスなどが該当するのではないか、と思われます。

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胡散臭さは賛成する人間の数で払しょくされる?

「秘密結社」などというと、現代であれば怪しげな新興宗教や、社会的にはまったく取るに足らないナンセンスな活動のように受け取られがちです。

しかし、現代ほど科学技術や伝達媒体が発達していない中世ヨーロッパにおいては、卑金属を貴金属に変える方法や人間の不老不死の方法を追究し、仮説の裏付けや背景にある思想を具体的に詳細に記載した書物である『科学の結婚』が、当時を生きる人々の少なくない層に支持されたであろうことは、想像に難くありません。

世の中の共通認識として「胡散臭い」、「取りに足らない」などと取り扱われている事象は、あくまでも世界中に生きる人々が多数決的に下した結果であり、多くの人々が納得できるような新しい事実が出現した場合には、一夜にしてその「胡散臭さ」が「科学的裏付けを持った常識」に変化することも、十分考えられます。

 

薔薇十字団の「黒い白鳥理論」的な可能性

レバノン在住の認識論研究家で、作家でもあるナシム・ニコラス・タレブは、2007年に発表した著書『ブラックスワン(黒い白鳥)』で、「私たちは自分たちで考えているほど、実際には物事をわかっていない(つまり「不確実性はまったくもってあなどれない」)」ということを発信しました。

その一例として、「かつて白鳥は白いものだと信じられ、(「白鳥」という名称が示す通り)常識になっていたが、オーストラリア大陸で「黒い白鳥」が発見された途端、それまでの常識が大きく覆された」ことをあげています。

現代におけるインターネットを使った「共通認識の浸透」ほどのスピード感がない半面、時間をかけて口コミでじわじわ広がっていく(もちろんその道中ではいわゆる「尾ひれ」もついていったことでしょう)ことで、魔術・錬金術の総本山的な位置付けである薔薇十字団の存在感・信ぴょう性は、確実に増大していったもの、と考えられます。

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カテゴリ: その他

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