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伝説の秘密結社「薔薇十字団」とクリスチャン・ローゼンクロイツ

火星
 
魔術と錬金術は、ともに中世ヨーロッパ時代を中心に「社会的科学的に、現実問題を解決するための具体的な研究」として世間の耳目を集めていました。これは現代の例でいうなら、ハイブリッドや電気、新燃料などの自動車研究や、火星への移住に関するロケット技術、火星環境の研究などが該当する分野と言えるでしょう。

魔術が断定的であることに対し、錬金術は仮説検証的なアプローチをとっていたことで、本質的な意味においては異なる領域として語られてきました。

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しかし両者はいずれも「オカルティックな領域(つまり科学的化学的に立証されていない領域)」という側面を持っており、一定の共通項も持っていました。

両者がもっとも接近していたといわれる中世ヨーロッパの時代に、まさに両方の特性をもった伝説の団体が存在していました。それが、薔薇十字団です。

 

秘密結社「薔薇十字団」の登場

薔薇十字団が世界に知られるようになったのは、1614年に神聖ローマ帝国(現在のドイツ地方に相当します)に出版されていた「全世界の普遍的かつ総体的改革」という怪文書にその名称が記載されていたことがきっかけである、とされています(厳密には「全世界の普遍的かつ総体的改革」という怪文書の付録である「友愛団の名声」という文書の中で触れられていた、といいます)。

インターネットやテレビなどの媒体がなかった時代、おそらく口コミ中心に広まったと思われる「全世界の普遍的かつ総体的改革」という文書には、「薔薇十字団という秘密結社が存在し、人間を病や死から解放するための活動を、120年の長きにわたっておこなっている」、といった内容が書かれていました。

 

創始者クリスチャン・ローゼンクロイツ

また、この結社の創始者についての記載もあり、「薔薇十字団はR・C(一説によるとC・R・Cともいわれています)が創設した」とされ、その生涯についてもかなり精緻に記載されていた、といいます。

この人物は、翌年発表された『化学の結婚』という書物(著者は、ドイツの作家であるヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエといわれています)で、クリスチャン・ローゼンクロイツという名称で描かれています。

この書物はあくまでも小説、つまりフィクションであったはずなのですが、そこに記載されていた錬金術に関する深い考察・思想や、『化学の結婚』発表以前に出回っていた怪文書の影響もあり、「クリスチャン・ローゼンクロイツは実在の人物であり、彼が率いる薔薇十字団は、人間の不老不死を実現する団体である」と考える人をたくさん生み出すこととなったのです。

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カテゴリ: その他

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