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ホムンクルスの材料にもなる?危険な植物マンドレイクとは

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現代の日本において、栽培や所有に違法性はないものの、その毒性は非常に強いというマンドレイクは、中世ヨーロッパにおけるホムンクルス(=人造人間)作成の原料としての側面を持っている、といわれています。

その歴史は古く、紀元前の時代に活躍した数学者ピタゴラスも、「マンドレイクは人間と同じように男女の性別を持っている(春咲きの種がオス、秋咲きの種がメス)」と言及していたり、1~2世紀頃のローマの農学者であるルキウス・コルメラは、マンドレイクを「半人間」とまで称しています。

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幻覚作用と人造人間

マンドレイクの含まれる毒性は「アルカロイド類」と称されている、こんにちにおいて一般的なもので、窒素を含む塩基性の植物成分全般を指しています。

その種類は(近似種含めて)およそ数千種ともいわれており、モルヒネやエフェドリン、コカインといった、医学的には重要であるものの、比較的「危ないジャンル」の薬剤を含んでいます。逆説的に考察すれば、「法律や文化、道義的な理由から、その実効性や信ぴょう性について一定の秘匿性を持つ存在」である、ともいえます。

端的にいえば、「諸々の理由により、未だ謎が多い=検証の余地がある領域である」と考えられ、そういった視点において、(クローン技術の発達に比例した一定の秘匿性をも含めて)中世ヨーロッパにおけるホムンクルス作成の最終結論は、未だ出ていないのではないか、と考えられます。

 

ハリー・ポッターが示す先進性

さらに考察を進めてみると、近年日本でも大ヒットを記録した「ハリー・ポッター」シリーズは、ホムンクルスやマンドレイクの秘匿性の一部を汎化する存在である、と位置付けられるのではないでしょうか。

たとえば同シリーズに出てくる「ホグワーツ魔法魔術学校」では、マンドレイクの根っこに埋め尽くされたグリーンハウスが登場したり、最初の作品である「賢者の石」というモチーフ自体が、中世ヨーロッパの錬金術の世界においての「究極のゴール」のひとつであったりします。

この作品が世界的な大ヒットとなっている背景には、案外錬金術的な概念の復活や、(クローン技術やマンドレイクの成分に関する事象を含む)ホムンクルスの究極的ゴールへの序章、ひいては「近代科学進歩のための、錬金術の概念を流用した、さらなる仮説の立案」という意図が隠されているのかもしれません。

現時点において、ホムンクルスの謎、さらにマンドレイクがホムンクルスの原料であるとする物証は確認されていませんが、今後の動向次第では、ホムンクルスとその周辺の事象が一般常識へと姿を変えることも考えられそうです。

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カテゴリ: その他

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