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火星探査機キュリオシティが示す火星の謎と課題(前編)

キュリオシティ

火星の生命体存在の可能性や、人類移住の可能性を探り、実現可否を判断するためには、机上の計算や仮説検証だけではなく、実際に火星に赴いて、さまざまな調査をおこなわなことには、結論を導き出すことはできません。
現在の科学技術で、一定期間以上の火星滞在型の調査をおこなおうとした場合、天文学的なコストがかかる、といわれていますので、調査はそれほど簡単ではありません。このあたりの課題を解消すべく、無人火星探索機というものが開発されました。代表的な火星探索機が、アメリカのキュリオシティです。

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2011年に打ち上げられた

2014年、予定通り2年の調査を終えたという無人火星探索機キュリオシティは、正式名はローバーといい、キュリオシティは愛称である、とのことです(9000人程度の一般公募作品の中から、12歳の女の子が提案した「キュリオシティ(好奇心という意味)」がローバーの愛称として選ばれました)。

 
キュリオシティは、単体で地球から火星に送られたわけではなく、マーズ・サイエンス・ラボラトリーという宇宙船を母船として、近い将来に火星の地表の物質を地球に持ち帰るために必要な「妥当な着陸場所を見つける」ことを目的として、アメリカのNASAで開発されました。
当初は2009年に打ち上げ予定としていましたが、コストやテスト期間の関係から、実際に打ち上げを実行できたのは2011年11月になっています。

 

 

2012年6月に着陸完了

打ち上げからおよそ半年後の2012年6月、キュリオシティは無事火星の地表に着陸しています。着陸を記念して、NASAは着陸地点に「ブラッドベリ・ランディング」という名称を付与しています。この名称は、2012年6月に亡くなった、レイ・ブラッドベリというアメリカの著名なSF作家にちなんでいます。

 
「着陸場所を見つける」というミッションをクリアしたキュリオシティは、次なる目的である「地表の鉱物の採取」に取り掛かりましたが、2013年2月には、1960年代の火星調査開始以来初めて、堀削による試料採取にも成功しています。長さは約3メートル、重さは約900キログラムという、無人探索機としては比較的大型のキュリオシティには、状況によって変わっていくミッションを地球から遠隔で送信したり、指示を受けるための電力を確保したりする仕組みも備えており、まさに現代の科学技術の結晶ともいえる存在ですが、究極の大テーマである「火星有人探査」に向けて、火星着陸後から現在までで、さまざまな課題を検知しています。

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カテゴリ: その他

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