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2030年代に実現する?火星有人探査の現在(後編)

火星

1960年代の終わりに、それまで人類がなしえることができなかった「月面到達」を実現したことで、「宇宙開発は加速度的に進むもの」、と誰もが考えました。しかし、宇宙計画の難易度は、その後も下がることはなく、月に続く別の星への有人探査は、いまだ実現できていません。とはいえ今も「人類による宇宙への挑戦」は継続しており、2030年の火星到達を目指して、2011年には、国際宇宙ステーションが完成しています。

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2011年に完成した国際宇宙ステーション

国際宇宙ステーション(略称ISS=International Space Station)は、日本をはじめ、アメリカ、ロシア、カナダ、欧州宇宙機関(略称ESA)などが協力して、地上よりおよそ400キロメートルの地点に建設された、巨大な有人宇宙ステーションです。

 
1999年から建設がおこなわれ、2011年には完成しています。当初は2016年頃までの運用を予定していたのですが、現在では2024年頃までの運用を検討している、とのことです。この宇宙ステーションの構想は、もとは1980年代のアメリカの「フリーダム計画(冷戦当時の西側諸国の宇宙技術の結集が目的でした)」がベースになっている、といわれています。
しかし、数千億ドルという莫大な運用費用や、1986年のスペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故などにより、必ずしも順風満帆な宇宙計画であるとはいえない状況を経て、現在に至っています。

 

 

8か月という遠距離をクリアできるのか

宇宙ステーションによる「人間による宇宙滞在」の経験値は上がっているものの、地球と月の距離およそ38万キロメートル、時間にして3~4日かかるという宇宙の旅に対して、火星は地球からおよそ5500キロメートル(しかも最も近いときでさえ、この距離です)、時間にしておよそ8か月もかかるといいますから、有人探査の期間を1年と見積もったとしても、火星到達プロジェクトは、少なくとも3年程度はかかる計算になります。

 
国際宇宙ステーションに1年間滞在したというアメリカの宇宙飛行士スコット・ケリー氏は、「2030年火星到達という目標を目指し続ければ、人類は火星に到達することができる」、と語っています。
近年の宇宙ステーション建設、さらに宇宙滞在の実績と経験値蓄積によって、人類は着実に火星に近づいている、といえそうです。2016年、アメリカのオバマ大統領は、1960年代のケネディ大統領と同じく、演説で「2030年には火星に到達するだろう」、との見解を示しています。
目標をクリアする技術力と経済力、情熱、そして世界各国の協力体制を保ち続けることができれば、人類は火星に到達できるはずです。

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カテゴリ: その他

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