> >

火星大接近の歴史。次に火星が接近するのは2287年ごろ?

火星

太陽系惑星の中で、一番地球に近い火星は、地球と同じく太陽の周囲を公転しています。しかし、それぞれの公転は楕円を描くようにおこなわれ、かつ公転角速度(惑星が太陽の周囲を公転する際のベクトル量を指します)の違いにより、地球と火星の距離は微妙に変化しています。その中でも、もっとも地球と火星の距離が近づくタイミングは、「大接近」と呼ばれています。大接近は、非常に低い頻度で発生しています。

スポンサードリンク

 

 

およそ5575万キロメートルまで接近

通常、地球と火星の距離は、およそ7500万キロメートル前後で推移していますが、大接近の時には、通常よりも2000万キロメートルも短い、5600万キロメートルまで距離が詰まります。
さらに、2003年の大接近の際には、およそ5575万キロメートルまで接近した、といいます。かつてこの距離まで近づいたことがある時期は、なんと紀元前5万7617年にまで遡らなければなりません(この数値はあくまでも理論上の計算値であるため、一説によると、紀元前5万7538年ともいわれています)。
次にこれほどの接近が起こる時期は、2287年頃、といわれています。

 

 

通常はあり得ない大接近

公転の差異による地球と火星の接近は、およそ2年程度の周期でおこり、5600万キロメートル前後のいわゆる「大接近」についても、通常は15~17年程度毎に発生するのですが、直近2003年に起きた「超大接近」については、専門家の間でも「まずありえないような出来事」として取り扱われています。

 
最大でおよそ1億キロメートルほどにも広がる地球と火星の距離が、半分余りの距離にまで近づくこのタイミングでは、宇宙科学的にも世論的にも大きな関心事となっている「火星への移住計画の調査」や「火星人の存在可能性の検証」の、最大のチャンスともいえます。現在のロケット技術では、火星までは片道約8ヵ月ほどかかる、とされています。

 
一般的に考えて、「宇宙飛行士が移動に耐えられる期間である」、とはいえないような、長い期間です。現在の宇宙技術を駆使したとしても、移動期間の短縮は、大きな課題であり、命題でもある、といえます。
移動期間を少しでも短縮するには、「大接近」を利用しない手はありません。官民両面で進められている宇宙計画は、この「大接近」をマイルストーンとして、緻密な計算のもと、進められています。次回の大接近は250年以上も先の出来事ではありますが、より効率的で現実的な計画が立てられることに、期待したいところです。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.