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古の大巨人ダイダラボッチとは?その謎の正体を探る!

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古代から伝承として日本各地に伝わり、その痕跡が遺されている「ダイダラボッチ」。考えられない背の高さを持った巨人で、土を掘って運び、山を造り、またその山も運んで移し替えたりもしていました。
それではこのダイダラボッチとは、いったい何だったのでしょうか?

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世界の巨人と天地創造

日本のダイダラボッチだけではなく、世界には多くの巨人伝説があります。

例えばギリシャ神話では、世界の始まりは初めに「カオス(混沌)」があり、そして「ガイア(大地)」「タルタロス(冥界)」「エロス(愛)」が生まれ、ガイアは「ウラノス(天)」を生み、ガイアとウラノスは多くの神々を生みます。ガイアの子供たちである「ヘカトンケイル」の一族、「サイクロプス」の一族、「タイタン」の一族、「ギガス」の一族はすべて巨人族でした。

北欧の神話では、初め「ギンヌンガガプ」という何もないがらんどうの世界があり、北に「ニヴルヘイム」という冷たい氷の世界、南に「ムスペルヘイム」という火の世界が創られ、北からの寒気と南からの熱気がギンヌンガガプでぶつかって、すべての「霜の巨人」たちの父である「ユミル」が生まれました。

このようにギリシャ神話の巨人や北欧神話の巨人は、天地創造と結びついた存在として伝えられています。

 

アイヌと沖縄の巨人伝説

日本の北方、アイヌに伝わる神話では、初めにこの世界には深い霧が立ちこめた果てしない湿地が広がり、創造神である「コタンカラカムイ」という巨人が大地と自然を創りました。

一方で南の沖縄の神話では、天地の始まりのときに「日の大神(太陽神)」がいて、女神の「アマミキヨ」と男神の「シネリキヨ」に海に漂う島々を固定させ、大地や自然を創らせました。しかしまだ天と地上がくっついていたのですが、「アーマンチュー」という巨人がやってきて、天を持ち上げて高く押し上げ、それから人間は立って歩けるようになったということです。

このように日本列島においても、北の神話にも南の神話にも天地創造に巨人が深く関わっていたのです。

 

日本の大地と自然を造り、消えて行ったダイダラボッチ

古代からの神話や伝説のなかで、巨人は天地創造、大地と自然の造営に大きな役割を果たした存在でした。

ダイダラボッチも大地や自然を造営しました。国生み神話でイザナギとイザナミが日本の島々や自然を生みだしたあと、ダイダラボッチがそれを引き継いで、さらに手直しをしていったのだという説があります。

また、世界の神話や伝説のなかでもそうですが、巨人とは大自然を象徴する素朴で荒ぶる存在であり、やがて他の神々に敗北してしまいます。北欧神話では、巨人族の父であるユミルと霜の巨人の一族は、あとから生まれて来た「オーディン(戦争と死の神)」たち神々によって滅ぼされてしまいました。これは荒々しい自然が、やがて人間の文明に敗北して行くことが象徴されていると考えられています。

日本のダイダラボッチも荒々しい大自然を象徴する巨人族でしたが、やがてあとから来た神々と人間に敗北してしまったのでしょうか。南九州の巨人「大人弥五郎(おおひとやごろう)」が八幡神の家来になったように、日本各地のダイダラボッチはやがて文明に敗北して埋もれて行き、人々の記憶や伝承のなかにだけ生きている存在となったのかも知れません。

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カテゴリ: その他

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