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サイコメトリーとメスメリズム:ジェイムズ・ブレイド氏の貢献

サイコメトリー

 

サイコメトリー関連の学術的研究において、アメリカのブキャナン氏、フランスのメスメル氏という両医師の研究を受け継いで、科学的な領域にまで昇華させたスコットランドの医師であるジェイムズ・ブレイドは、サイコメトリーや催眠療法の現代における解釈に、大きな影響を与えています。
彼の功績がなければ、それまでオカルト的な見方が大半であったサイコメトリーや催眠術は、こんにちにおいても「まったくの非科学的事象のままであった」、といっても過言ではありません。

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外科医としての功績

ブレイド氏は、サイコメトリーや催眠療法の分野のみならず、外科医としても大きな功績を残しています。
特に内反足(先天性内反足とも呼ばれ、生まれつきの尖足や内反、内転位等、矯正することが困難であると考えられていた、足の形の異常を指します)に関する治療法については、近代医学の礎となりえるような成果をあげています。この分野における「外科医としての名声」は十分なものであったため、「催眠療法に関する研究をパブリックなものとする活動には、やや消極的であった」との見方をされることもありますが、結果的には「近代催眠関連学の父」といわれるほどの存在と認識されるに至っています。

 

 

暗示の力をヒプノティズムと命名

ブキャナン氏が提唱したサイコメトリーや、メスメル氏が提唱したメスメリズムは、「社会的な問題提起」としては十分な役割を果たしましたが、主に神智学や宗教的な知識者からの支持を集めたことも関連し、「非科学的で、迷信や占いに近い概念である」と捉えられがちでしたが、オカルト的な要素を排除し、心理学的なアプローチからサイコメトリーやメスメリズムを研究した結果、物理作用ではなく、暗示の力によって、人に対してさまざまな心身の状態変化を及ぼしていることをつきとめました。
ブレイド氏は「暗示の力」をヒプノティズム(催眠の意味。もとはギリシャ語の「Hypno=眠り」からきています)と命名し、こんにちでは学術的な領域の事象として、広く認知されています。

 

 

催眠とサイコメトリー

しかし、ヒプノティズムも当初は「非科学的な概念」との批判を受け、特に神学的な領域からは、悪魔的または迷信的な扱いを受けていたようですが、それらの批判に対して真摯かつ科学的に反証していくなかで、徐々に学術的な評価を受けることになっていきます。
現代においても未だ究明の余地は多く残しているものの、科学的、精神学的な領域での研究継続のベースとなる概念として、高く評価されています。1997年には、催眠療法の普及や、さらなる研究を目的として、「ジェイムズ・ブレイド協会」が発足しています。

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カテゴリ: その他

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