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症例のひとつはテレパシー?サヴァン症候群とは

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テレパシーは、超能力や第六感といった、人間の未解明の能力のひとつであり、「言語や身振り手振りなど、一般的に相手が認識できるコミュニケーション手段を使わずに、相手に思考を伝えることのできる能力、または読み取ることのできる能力」、とされています。これまでの人類の歴史の中で、さまざまな事例が紹介されてきたテレパシーですが、関連する医学上の症例として、サヴァン症候群といわれるものがあります。

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特定分野で驚異的な能力を発揮するサヴァン症候群

サヴァン症候群は、1887年、イギリスの医師であったジョン・ランドン・ダウン氏によって報告された事例が命名元になっている、といわれています。当時彼が発表した論文によると、ある男性が、膨大な量の書籍について、たった1回読んだだけですべてを記憶し、なおかつ全文を逆から読み上げることができた、と報告しています。

ジョン・ランドン・ダウン氏は、この男性の症状について、「idiot savant(直訳すると賢い白痴)」、と命名しましたが、この名称では差別的な要素を含むとして、後に「savant syndrome(サヴァン症候群)」と改められました。

この報告では、「記憶力の他の能力は、通常の人と変わらない」、とされていたのですが、こんにちにおけるサヴァン症候群は、「知的障害や発達障害など、なんらかの障害を持つ人が、特定分野で驚異的な能力を発揮する」症例として、一般的に認知されています。

 

サヴァン症候群の典型的症例

サヴァン症候群の典型的な症例として、記憶力が突出して優れていることがあげられます。先に述べた書籍の完全なる暗記のほか、カレンダーの日付と曜日を全部暗唱できたり、円周率などの演算結果を、常軌を逸した桁数まで記憶していたり、膨大な数の言語を使える能力があったりと、日常生活に支障をきたすような何らかの障害を持っているにもかかわらず、記憶力やそれを駆使する突出した能力を持っていることが、サヴァン症候群の特徴になります。こういった症例の中に、「言語を使わずに、相手とコミュニケーションをとることができる能力」、つまりテレパシーとして認知されている能力をもつ場合がある、とのことです。

 

映画でも紹介されているサヴァン症候群

1988年のアメリカ映画「レインマン」では、主人公のうちのひとりとして、サヴァン症候群患者が描かれています。この映画の原作者は、サヴァン症候群にインスピレーションを得たと語っており、演じた俳優も役作りのため、サヴァン症候群患者の何人かとコンタクトをとった、とのことです。サヴァン症候群とテレパシーは、「障害と記憶力」というキーワードにおいて、なんらかのつながりがある、と考えられます。

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カテゴリ: その他

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