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(中編)予知という現象と夢の関係性。予知能力は脳のメカニズム?

予知夢

 

中世の大予言者として現在でもその名が一般に浸透している「ノストラダムス」なのですが、予知や予言という領域においては、世界でもっとも有名な人物のひとりである、といっても過言ではありません。
彼の予言の特性の研究は、近年多くの学術的アプローチがなされ、さまざまな見解が発表されていますが、その大きな特徴としては2つ、あげることができます。ひとつは、彼の予言は彼自身の幼少期の原体験をベースに語られていること、もうひとつは、15世紀以前の古い星座版をベースとした占星術によって、予言を導いていることです。人間の予知能力と、ノストラダムスの2つの特徴は、何らかの関連性があるのでしょうか。

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幼少期の原体験が記憶や行動にどう影響するのか

原体験という言葉について、純粋に言葉の意味として調べてみると、「思想が固まる前の経験のなかで、その後の人格形成に大きな影響を与えたもの」ということなのだそうです。
ノストラダムスの大予言には、彼が物心つくかつかないか、といった時期を描写した(と思われる)予言が比較的多い、といわれているのですが、彼の予言は、既視感(デジャブ)や未来予知の発生メカニズムのひとつである、「潜在意識に刻み込まれている原体験」がベースになっているのではないか、と思われます。

 
これが、何かの拍子(ノストラダムスの場合には占星術の道具か、と思われます)に顕在化し、「見たことがある風景を呼び寄せる」、つまり「潜在意識として体験したかもしれないことを認識し、未来に起こることとして書き出す」というアクションの結果が、予知、予言であった、と考えられます。

 

 

夢は潜在意識の表出の結果

一方で、人間が眠っているときに見ている夢も、医学的には「潜在意識の表出による現象」であり、簡単にいうと「人間の思考や体験に対して、脳が(もともと持っている機能として)バランス良く秩序を持って認識できるように過不足を埋める(バランスが崩れると「人格崩壊」など深刻な精神障害に発展するおそれがあるため、この機能が備わっている、といいます)」ために夢を見る、といわれています。

 
このように考えると、予知や予知夢は、人間が能動的に作り出したものではなく、無意識や潜在意識、幼少時の原体験などの組み合わせで、脳のメカニズムの一種として起こっている現象なのではないか、と考えられます。誤解を怖れずにいうならば、錯覚に近い概念なのではないしょうか。この説については、もう少し掘り下げて考える必要がありそうです。

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カテゴリ: その他

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