> >

人類学研究のトリガーとしてレムリア大陸存在説を考える価値


 
「遠く1万2千年以上も昔に、レムリア大陸という大陸とそこに栄えたレムリア文明が存在し、人類はそこから始まった」という説は、19世紀から20世紀にかけた科学技術の進歩や、学術的研究の近代化によって否定され、今では「水没した巨大大陸は存在しなかった」という見方が大方の見立てとなっています。しかし、大陸が存在していなかったとしても、人類発祥の地はどこなのか、かつて高度に進歩した文明が本当になかったのかどうか、というところは、完全な着地を見ていない、ということもまた事実です。

スポンサードリンク


 

人類学の分野からレムリア大陸を考える

レムリア大陸の存在は、地質学や地球科学の分野においては、半ば否定されているともいえる概念ですが、一方で人類学的な見地からすると、大陸は存在していなかったとしても、文化圏として存在していた可能性は完全に消滅したわけではありません。大陸存在説にしても、あくまでも現時点での調査結果として「否」の結論になっているものの、今後の研究結果如何では、違った方針が打ち出される余地は残しています。人類学とは、人類の生物学的な特性、言語、社会的慣習、五感に代表される人類特有の機能など、人類に関する分野の総合的な研究をおこなう学問です。考古学や民俗学なども含まれ、広い意味では芸能の分野も、人類学に該当します。

 

アウストラロピテクス・アフリカヌスの発見

こういった見地からレムリアを考えてみると、まだまだ探求の余地は残されている、と考えられます。「人類発祥の地」という切り口においては、直近100年ほどの間に南アフリカや東アフリカで発掘された霊長類の化石などから研究がおこなわれている最中であり、まだはっきり結論が出ているわけではありません。1926年、アフリカはカラハリ砂漠のタウングという場所で発見された、類人猿またはヒトの特徴を示す子供の化石は、発見当時、解剖学者であるレイモンド・ダート氏が、頭蓋骨の底部にある脊髄が通っている穴の位置から、「直立歩行していた霊長類の可能性が高い」と確信し、この霊長類の種類を「アウストラロピテクス・アフリカヌス」と名付けて、さらなる深堀調査をおこなっていきました。

 

タウング・チャイルドの功績

この化石は発見場所にちなみ、「タウング・チャイルド」と呼ばれるようになりましたが、専門家の間では、長い間その信憑性について議論されることなく黙殺され続けていました。しかし後年になって、この「タウング・チャイルド」は、人類学上の道標となるような存在に変貌していきます。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.