アトランティス大陸はどこにあった?地中海説vs大西洋説
アトランティス大陸が実在した可能性については、さまざまな説が唱えられ、今も議論が継続されているところなのですが、地中海はギリシャの、サントリーニ島の火山噴火によって発生した津波の影響で滅んだという、クレタ島のミノア文明がアトランティスだった、という説が、もっとも有力な説のひとつとしてあげられます。しかし、アトランティス伝説を記したプラトンの著作の記載や、現代の調査水準からの考察により導かれたという「大西洋説」も、近年有力な説として注目されています。
地中海説の信ぴょう性
サントリーニ島、およびミノア文明とアトランティスを結びつける際の謎として、プラトンが唱えたアトランティスの規模や消滅時期と、ミノア文明の規模(アトランティス伝説にあてはめるには、国家規模がかなり小さい、とされています)や、滅んだとされる時期のギャップが、たびたび指摘されます。地中海説論者はこの点について、「プラトンの誇張」、または「アトランティス伝説を最初に話したエジプトの司祭が、ひと桁間違って認識したまま伝えてきた(または、この話をギリシャ人が聞いて訳した際に、桁数をひと桁間違った)」、と結論づけています。アトランティス伝説の10分の1の規模とすれば、時期も国家規模も、ミノア文明に当てはめることは可能です。
大西洋説
地中海説が有力である一方で、プラトンが著した有識者対談によると、「大西洋にある」と解釈できる記載がある、とのことで、大西洋説を唱える声も多数存在しています。しかしこちらも、アトランティス大陸に匹敵するような大陸が存在したという、確かな物証は残されていないため、あくまでも推論の域を出ないものの、カナリア諸島をはじめとする実在の島々が、現在の姿よりももっと大きなものであった時期があり、太古の昔に氷河期が終了したために、溶け出した海水によって水没してしまったのではないか、といわれています。現在スペイン領にあたるカナリア諸島は、ギリシャ神話に登場する「黄金のりんごがなる島」のモデル(神話の中では「ヘスペリデス島」と呼ばれています)としても知られ、近年になってカナリア諸島の西600マイルの地点の海底で、人工物のようなものが見つかったことがイギリス発で発信され、「アトランティスの痕跡ではないか」、と話題になりました。
南極説も存在する
一方、南極で「ギザのピラミッドのような建造物を発見した」、との未確認情報もあり、こちらもアトランティスの遺物の可能性が取り沙汰されています。現在においてもさまざまな議論を呼んでいるアトランティスは、まさに「永遠のロマン」を象徴する存在である、といえそうです。