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オーパーツ「アンティキティラ島の機械」復元への道

オリンピアのゼウス像
 
1900年頃に、ギリシャはアンティキティラ島近海の沈没船から発見されたという、アンティキティラ島の機械は、その後およそ数十年に渡って、歴史的重要性や、技術的に突出した高水準を持っていることなどに、気づかれることはありませんでした。1950年代頃からその重要性が認識されはじめ、復元も試みられるようになっていったのですが、近年になってようやく、同じ機能をもった機械の復元に成功した、とのことです。

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2007年、ついに復元に成功

アンティキティラ島の機械は、およそ2100年前、古代ローマ共和制の最盛期に製作されたと見られ、同時代のヨーロッパのからくり人形や、ロドス島に作られたといわれている巨像など、大掛かりかつ、内包される機械の精密さといった点で、非常に緻密な建造物や物品との比較においても、突出して技術水準や製作思想の水準の高さが見られることが、2000年代に入って立ち上げられた、「アンティキティラ島の機械研究プロジェクト」の調査で明らかになっています。このプロジェクトでは、1950年代以降に幾度となく試みられた「機械の復元」について、巨額の費用を費やした末に、2007年になってついに成功した、といいます。

 

洗浄…構造透視…実現への道

復元の成功への道程は、まさに現代科学の進歩と歩調を合わせる形でおこなわれてきた、といえます。青銅器でできているというアンティキティラ島の機械の、およそ2000年分の腐食を時間をかけて取り除き、気の遠くなるような手間と時間をかけて、構成部品の形状やしくみを丹念に調べ、さらにガンマ線やX線を用いた構造分析による科学的な裏づけ調査をおこない、石灰化した部品や、新たに発見された出土品などのしくみも少しずつ明らかにしていきました。そのうえで、アンティキティラ島の機械が、太陽や月などの運行を追跡する機能を持つこと、さらに暦やうるう年の算出など、古代から4年に1回開催されていたというオリンピック開催のための機能をも備えていたことを突き止めています。

 

スイスの高級腕時計メーカーが時計として製品化

惑星の軌道については、後年発見されたケプラーの法則に先駆けること千数百年という時期(紀元前100年頃)に、既に機械設計に反映していた、といいますから驚きです。復元されたレプリカは、アテネ国立考古学博物館に、本物と共に展示されています。また、2011年には、スイスの高級時計メーカーであるHublot社が、腕時計として製品化しています。

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カテゴリ: その他

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