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立ち姿の謎…ロドス島の巨像の足の形状を巡る諸説を考察する

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ギリシャ共和国の首都アテネのルーツは、約3400年前の古代ギリシャの時代に遡り、世界でももっとも古い都市として知られています。そのアテネから南東へ約430キロメートルという位置に、かつて太陽神ヘーリオスの巨像があったとされる、ロドス島があります。ヘーリオスの巨像は、ロドス島の巨像の名で、世界の七不思議のひとつに数えられているのですが、像のポーズ、形状については諸説あり、今でも議論の的となっています。

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巨像は港をまたいで立っていた?

半ば伝説として伝えられ、想像図も多数残されていたのが、「港をまたいで立っていた」という説です。ロドス島の港の入り口の陸地部分に片足ずつ置いて、入り口を見下ろすように立てられていた、とされています。像の内部にはらせん状の階段が取り付けられていて、頭部まで登ることができ、像の目に当たる部分からはサーチライトのように港を照らす灯りも設置されていた、ということです。多くの想像図が後世に作られているこの説には反論もあり、現代科学の検証によれば、「高さ30メートル以上の巨大な像を、両足を拡げて立てるには、相当な強度が必要で、当時の土木技術の水準では、強度が保障できないのではないか」、といわれています。ロドス島の巨像は、現代の日本の、巨大ロボットアニメの登場キャラクターに匹敵するような大きさであったため、今ではこの「両足を広げて立っていた」という説は、否定的な見方がなされる場合が多いようです。

 

「寸法があわない」という指摘も

また、「港をまたいで立っていた」という説には、もうひとつ問題があります。ロドス島の巨像があったとされる、現在のマンドラキ港の入り口にあたる部分の幅は約60メートルもあり、港をまたいで巨像を作るとなると、定説になっている「約34メートルの像」の大きさでは、港の入り口をまたぐことは不可能です(もっと大きな、高さ100メートル級の人型像である必要があります)。

 

ユニークな仕掛けが施されていた?

もうひとつの説として、「両足を揃えて立っていた」という説があり、こちらも想像図がいくつか残されています。先ほど述べたような「強度の問題」をクリアすることができるこの説のほうが、支持されることが多くなっています。港の入り口に立てられているため、外部からの侵入者向けに、巨像から煮えたぎる油を落とすような仕組みを内蔵していた、ともいわれています。今では真実を確かめるすべはほぼないのですが、かなりユニークな像であったことは間違いなさそうです。

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カテゴリ: その他

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