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ロドス島の巨像のモチーフ「へーリオス」のエピソード

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紀元前2世紀頃に提唱され、現在でも全世界に浸透している「世界の七不思議」のひとつ、ロドス島の巨像は、現ギリシャ領のロドス島に、紀元前3世紀頃に作られたもの、とされていますが、長い年月の間に起こった天災や、ギリシャ地域に侵入した外敵などの影響で、現在ではその姿は残っていません。巨像の建造時にモチーフとされた、ギリシャ神話に登場する神のひとりであるへーリオスは、神話の物語の中でも、ユニークな存在感を放っています。

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ギリシャ神話の象徴的存在

へーリオスは、ギリシャ神話の象徴的な存在ともいえる、オリンポス山の東側の地上の果てにあったとされる宮殿の住人でした。天空に存在した宮殿は、地上で起こるすべての出来事を見通していた、とされています。このため、数々の神話上のエピソード(アプロディーテーとアレースの浮気や、ハーデスによるペルセポネーの誘拐など)の、第一発見者、または密告者として、さまざまな場面で登場していたようです。

 

へーリオスは子沢山

へーリオスは、女神ペルセーイスとの間に、アイエーテース、キルケー、パーシパエー、ペルセースといった子供を設けています。また、クリュメネーという人間の女性との間にも、パエトーンとヘーリアデスという子供を設け、パエトーンが「自分が神の子である」と周囲に自慢した際には、へーリオスの宮殿を訪ね、へーリオスの持ち物である「太陽の戦車(ギリシャ神話では、太陽は、へーリオスの乗り物である馬車=戦車である、とされていました)」を1日だけ貸し出してもらえるよう要求しますが、戦車を御すことができず大災害が起こって、結果的にはパエトーンはゼウス神の逆鱗に触れて、雷に打たれて亡くなってしまいます。

 

アフロディーテーからの仕返し

へーリオスのエピソードとしては、神らしからぬものも多くあり、先に述べた「アプロディーテーのアレースとの浮気」の密告の際には、女神アフロディーテーの怒りを買い、へーリオスがペルシア王オルカモスの娘のレウコトエーに惹かれるよう、アフロディーテーに仕向けられたうえ、それまでへーリオスに寵愛を受けていたとされるニュムペー(=精霊)のクリュティエーによって、オルカモスに密告される、という仕返しを受けたりしています(密告者クリュティエーは、その後へーリオスに振り向いてもらえず、悲しき嘆いて暮らすうちに彼女自身が亡くなってしまい、一輪の花に姿を変えてしまいます)。そもそもギリシャ神話の神々には、非常に人間くさいエピソードが多いのですが、ロドス島の巨像のモチーフとなったへーリオスは、その中でも特にユニークなキャラクターの持ち主のひとりなのです。

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カテゴリ: その他

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