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座敷わらしはお金の神様?住む家の富が栄える伝説

座敷わらし

 

家が栄えると言えば、家族が健康である、子宝に恵まれる、家族に幸運なことが起こるなど、様々なことがあると思いますが、やはり一番にイメージするのはお金に不自由せず、富み栄えるということではないでしょうか。
ですから、座敷わらしが住む家が富み栄えるというのは、座敷わらしがお金やお宝に関係の深い存在であるということでしょう。つまり、座敷わらしはお金の神様、もしくはお金の精霊や妖怪ということになるでしょうか。

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江戸時代に盛んになった銭神信仰

お金や富みにまつわる神様として、すぐに思い浮かぶのが七福神。7人の神様のそれぞれが福をもたらす神様ですが、特にお金や富みをもたらしてくれるのは、商売繁盛の神様の「恵比寿天」、打出の小槌を持った財宝と開運の神様の「大黒天」、唯一の女神で財宝と芸術、縁結びの神様の「弁財天」といったところでしょうか。

 
弁財天を祀る神社では、例えば鎌倉の「銭洗弁財天宇賀福神社(通称・銭洗弁天)」は境内の洞窟のなかの清水でお金を洗うと増えると伝えられ、まさにお金の神様です。
またお稲荷様と言われる「稲荷神」は、もともとは穀物や農業の神様でしたが、商売繁盛や家を護る神様となり、全国各地あるいは家の屋敷神として祀られていきます。
このような七福神や稲荷神への信仰をはじめ、お金にまつわる神様、銭神様への信仰が盛んになったのは江戸時代なのだそうです。

 
江戸時代になると、それまでの戦乱の時代から平和な時代へと移り、商業や貨幣経済が発達し、それまで以上に経済や富みのチカラが増していきます。それにより、人々のお金に対する願望がふくらみ、銭神信仰が盛んになったということでしょうか。特にその傾向は、江戸や大阪といった商業の中心地で大きかったそうです。

 

 

座敷わらしの原点になった?お金の精霊や妖怪

江戸時代には、そんなお金にまつわる精霊や妖怪が登場します。
妖怪画で有名な鳥山石燕の「今昔画図続百鬼」には、「金霊(かねだま)」というのがいて、善いことを行っている家には金霊が舞い降りて来て、その家は裕福になるのだとか。金霊は妖怪と言うより、お金の精霊か金の気の塊といったもので、善いことに努めている家を選んで現れることから、座敷わらしに近い存在かも知れません。

 
また、江戸時代の後期に上田秋成によって書かれた「雨月物語」という読本の「貧富論」という篇には、戦国時代から江戸初期に実在した会津の岡佐内という武士のもとに、黄金の精霊がやってくるというお話があります。

 
岡佐内は、富みを願って倹約をし、かといって決してケチではなくお金の大切さを知る人物でした。ある夜、この岡佐内が寝ていると枕元に小さな翁(おきな)が現れて、黄金の精霊なのだと言います。そしてお金にまつわる近頃の風潮を嘆き、岡佐内と貧富について論ずるという内容です。
この小さな翁の黄金の精霊は、座敷わらしの大もとのかたちではないかという説もあり、やはり小さなお金の神様(精霊)ということかも知れません。

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