> >

アルテミス神殿だけじゃない!エフェソス周辺の貴重な遺跡の数々

20-4f740831dcc994f5746ce1ed14f0c278_s
 
古代ローマ時代の中心都市であるエフェソスは、現在のトルコ・エーゲ海地域で最大の都市であるイズミールから、約70キロメートルほど離れたセルチェクという街に、エフェソス遺跡として今も当時の面影を色濃く残しています。ここには、世界の七不思議に数えられているエフェソスのアルテミス神殿のほかにも、東西500メートル、南北に1500メートルという広い敷地の中に、たくさんの貴重な遺跡を保持しています。

スポンサードリンク


 

円形劇場

エフェソスの遺跡の中でも最大級の規模を誇る遺跡建造物のひとつに、巨大な円形劇場があります。収容能力はおよそ24000人程度と推測され、横幅は145メートルにも達します。紀元前3世紀頃に建設されたといわれているこの円形劇場は、現代の水準から考えてもすぐれた音響効果があると見られていて、ステージは3階建て、正面には円形劇場につながる直線の大規模な通り(アルカディアン通りと名付けられています)もあり、劇場として当時の市民への娯楽を提供するとともに、大規模な政治的集会や、宗教イベントなどにも使われていたことが考えられています。

 

セルシウス図書館

円形劇場とともに、エフェソス遺跡の目玉のひとつといえるのが、セルシウス図書館です。2階建ての建物で、木造部分はほとんど消失してしまっているものの、石造りの部分は比較的良い状態で残されており(とはいえ正面部分だけではあります)、現在も修復が進められている、とのことです。蔵書数は約12000と想定され、建物の規模的にも、現在の日本の都市部にある区役所級の大きさを誇っており、当時のローマ帝国の繁栄と、統制のとれた行政の様子がしのばれます。当時のエフェソスの繁栄は、港湾事業によるところが大きかったと考えられていますが、その後近隣の2つの山の土砂の沈降により、2世紀頃を境に、商業的な規模が縮小されていったもの、と思われます。

 

クレテス通り

セルシウス図書館から港湾地域へと続く、エフェソスの目抜き通りにあたる通りが、クレテス通りです。長さはおよそ500メートル、道中にはヘラクレスの門や、ニケのレリーフといった、今でもその造形の素晴らしさが十分伝わってくるような、比較的保存状態の良い遺跡もあり、当時のエフェソスの都市としてのにぎわいが伝わってきます。これらの代表的な遺跡のほかにも、エフェソス遺跡には無数の遺構(建物自体は残っていないが、当時建造物が立っていたことが推測される建造物跡)が存在し、紀元前後の昔に、大規模な都市計画が立てられ、それらが実際に実行されていたことが推測され、ローマ帝国の栄華や政治力を垣間見ることができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.