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エフェソスの神殿に祭られる女神アルテミスとは【ギリシャ神話】

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紀元前の昔に、ビザンチウムのフィロンによって提唱された世界の七不思議のひとつ、エフェソスのアルテミス神殿は、ギリシャ神話の中で頻繁に語られている、当時信じられていた神々の一人であるアルテミスという女神を祭るために、紀元前700年頃に創建された、といわれています。ギリシャ神話といえば、「八百万(やおよろず)の神」に親しんでいる日本の神話と同じく、多くの神が登場する物語として知られていますが、その中に登場している女神アルテミスとは、どのような神なのでしょうか。

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ギリシャ神話は紀元前15世紀頃から作られ始めた?

女神アルテミスが登場するギリシャ神話は、紀元前15世紀頃からの物語とされているため、その発祥は少なくとも紀元前15世紀以前ではないか、といわれています。当時のギリシャ人の呼称が「ヘレネス」といわれていた時代には、すでにギリシャ神話の骨子となるエピソードのいくつかは存在していた、といわれています。ギリシャ神話は、日本を含めて世界中に存在する多くの神話の物語と同様に、初期には口述で伝えられていましたが、紀元前8世紀頃には、現在伝えられている形に体系的にまとめられ、記録として残されるようになりました。まとめたのは当時の詩人ヘーシオドスである、とされています。ギリシャ神話は地域毎にその解釈に若干の違いがありますが、これは、国家や民族の長い歴史の中で、混ざりあったり分離したりといったことが繰り返されたためおこった、と考えられています。

 

アルテミスは狩猟や貞潔の女神

ギリシャ神話の中に出てくる神々のひとりであるアルテミスは、狩猟や貞潔の女神として描かれていて、後には月の女神としての記載もなされています。ゼウスとレートー(いずれもギリシャ神話の高名な神)の娘で、アポロンという神と双子であるという設定であり、清純で貞潔な女性狩人として知られています。セレーネーやヘカテーといったほかの神々と同一視するような解釈も存在していますが、アルテミスはギリシャ神話の中で、三大処女神とされています。アルテミスの名前は、ギリシャ神話以前のギリシャ地域の先住民族の信仰に端を発しているといわれ、古典ギリシア語を語源とはしていない、との学術的な解釈がなされています。

 

エフェソスでもっとも崇拝されていた神

女神アルテミスは、狩猟や貞潔の女神であると共に、人身御供を要求する神としての物語を持っています。また、後に月の女神としても語られているように、セレーネーやヘカテーといった月の神のエピソードと一緒に語られることも多く、同一の神として取扱う学説もあるようです。紀元前7世紀頃のアルテミス神殿が創建された当時、小アジアの中心的な商業都市であったエフェソスは、アルテミス女神崇拝の一大中心地でした。当時の都市統治の政治的戦略的な意味合いで、ギリシャ神話のアルテミス崇拝の考え方が定義され、その象徴としてこの地に神殿が作られたのではないか、と考えられています。

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カテゴリ: その他

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