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バビロンの空中庭園は単なる伝説?実在の証拠を追え!

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世界の七不思議のひとつであるバビロンの空中庭園は、古代メソポタミアの中流、現在のバグダッドの南100キロメートルほどの場所にあった、バビロンという地域に存在した、とされています。これは、古代ギリシャやローマで著されている、複数の歴史書(七不思議を提唱したフィロンをはじめ、ストラボンやディオドロスなどが著した歴史書)に記載されているため、後年になって想像図なども描かれています。しかし、本当に実在したのか、はたまた伝説なのかは、未だに論争を呼んでいます。

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証拠となる遺跡は未だ発掘されていない

先に述べたような、古代の複数の歴史書や、複数の学者(歴史家や数学者、哲学者等)が、バビロンの空中庭園について言及しているにもかかわらず、バビロンがあったという地域からは、何の遺跡の発掘もなされていません。16世紀には、歴史書の記載に則って、かなり具体的なバビロンの空中庭園の想像図が描かれています(背景には有名な「バベルの塔」が描きこまれていますが、空中庭園のすぐ近隣に存在していた、と考えられています)ので、大きさや形状などは具体的に推測されているにもかかわらず、実在したことを示す証拠は、ひとかけらも発掘されていないのです。

 

その場所はバビロンではなかったとする説も

現在バビロンの空中庭園について研究している学者の中には、バビロンではなくニネベという場所にあったのではないか、と考える方も存在しています。イングランドにあるオックスフォード大学のステファニー・ダリー氏は、バビロンがあったとされる場所から、550キロメートルほど北にあるニネベという場所(現在のイラクのモースルの辺りとされていますが、バビロンからの距離は、370キロメートルほどである、という説も存在します)に、空中庭園が存在していたのではないか、という説を唱えました。根拠のひとつとして、古代の歴史書の翻訳が不正確であったことをあげています。それならば、ニネベから空中庭園の痕跡が見つかったのか、といいますと、未だ見つかっていません。事態は混迷を呈しています。

 

アッシリアの王セナケリブが作った?

ステファニー・ダリー氏の説では、従来考えられていた「バビロニアの王、ネブカドネザル2世が空中庭園を作った」という説をも否定していて、「作ったのはアッシリアの王セナケリブである」としていますが、これには前述の「翻訳の不確かさ」以外にも学術的な根拠がある、としていますが、氏の説に真っ向から反対する学説もあり、見解は統一されていません。

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カテゴリ: その他

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