> >

5.オリンピアのゼウス像は何のために作られたのか

オリンピアのゼウス像

 

世界の七不思議は、紀元前の古代ギリシャ世界における「驚異的な建造物」を7つあげたもので、ギザの大ピラミッドやバビロンの空中庭園など、主にいわゆる「建造物=建て物」をあげているのですが、その中でオリンピアのゼウス像は、神の像という、他の七不思議とは異色な存在として、驚異的な建造物のひとつに数えられています。
オリンピアのゼウス像は、そもそも何のために作られたのでしょうか。

スポンサードリンク

 

 

現代のオリンピックのルーツとなる行事があった

オリンピアのゼウス像の名の前半分には、「オリンピア」というキーワードを含んでいますが、実はこれは現代のオリンピックに通じるキーワードでもあります。
古代ギリシャのエーリス地方にあるオリンピア(オリュンピアと表現される場合もあります)では、4年に1度大規模な祭典がおこなわれていました。

 
当時としても最大級のイベントであり、現代でいうところの「スポーツの競技会」であった、とされています。
つまり、現代のオリンピックのルーツとなるイベントが、オリンピアの地でおこなわれていた、ということです(そもそも「オリンピック」という言葉には、「オリンピア」の地名の名残がそのまま残っています)。

 

 

紀元前9世紀~紀元後4世紀にかけてが最盛期

オリンピアでおこなわれていた競技会は、紀元前9世紀から紀元後4世紀にかけて最盛期を向かえていたようで、この祭典の象徴として、ゼウス神殿の存在があげられます。

 
ゼウス神殿は、紀元前5世紀頃に(おそらくオリンピアの祭典の象徴として)建設された、とされていますが、イベント(つまりオリンピックのルーツ)における奉納競技の本尊として、ゼウス神殿内に、ゼウス像が制作されたのではないか、といわれています。
現代のオリンピックにおける聖火や、五輪マークに相当する存在が、ゼウス像であったのではないか、という説です。

 

 

オリンピックの発祥は追悼行事だった?

ギリシャ神話にもオリンピック発祥に関するエピソードが残されています。
当時の戦争(トロイア戦争)で亡くなった、高名な武将であるパトロクロスを偲ぶために、アキレウス(ギリシャ神話に登場する英雄で、アキレスといわれる場合もあります)が競技会を主催し、開催したのが始まりである、というエピソードです。

 
他にも、ヘラクレス(こちらもギリシア神話の登場人物で、半神半人の英雄であった、とされています)こそがゼウス神殿建設の当事者であり、神殿建設後に、4年に1度のイベントを開いたことが始まりである、という逸話も伝えられています。
こういったエピソードから、オリンピアのゼウス像は、「オリンピックの象徴的な存在であった」のではないか、といえそうです。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.