> >

【第2回】アンコールワットが日本人に響く理由とは?

アンコールワット

 

カンボジア北西部にあるアンコールワットは、世界中で利用されている、グローバルな旅行会社におけるアンケート調査において、「日本人旅行客がもっとも感激したスポット」として上位にランクされています。
2012年のデータでは、来場者数が330万人を超え、うち日本人来訪者数はベトナム、韓国、中国についで世界4位、全体の6%程度を占めている、とのことです。
数ある世界の古代遺跡の中で、なぜアンコールワットが日本人に人気なのか、その理由を探っていきます。

スポンサードリンク

 

 

交通の便が良くなったこと

まず第一に、近年のカンボジア政府の政策により、アンコールワットに来場するための交通網が整備され、海外からの観光客も来場しやすい、ということがあげられます。
海外からの来訪者の半数以上が空路使用であるため、空港利用者増加対策として、首都プノンペンの軍民共用空港の再開発や、第2空港建設、国際直行便の誘致に向けたトップ(=首相による)によるアクションなど、現在も来訪者増加に向けた具体的な対策が採られ続けています。
また、近隣にあるベトナムのホーチミン、タイのバンコクといった都市からは、国境で乗り換える必要のない直通長距離バスも運行されており、ベトナムやタイを訪れる観光客にも、利用しやすいよう工夫がなされています。

 

 

仏教プラスアルファの神秘的な空間であること

それから第二の理由として、アンコールワットが、日本人に親しみやすい仏教的な雰囲気を持っていることです。
もとはヒンドゥー教の寺院として建設されたアンコールワットですが、アンコール王朝(古代カンボジアの王朝)の信仰が、ヒンドゥー教から大乗仏教、またヒンドゥー教というように変化していったため、複数の宗教的な要素が混在し、特定宗教に特化したような通常の寺院よりも神秘的な雰囲気が強まっていて、日本人の感性にマッチするような雰囲気になっていることがあげられます。
アンコールワットのメインとなる建物の前には湖が広がっていて、湖面に映るアンコールワットの様子は、日本の京都や奈良にも通じる、どこかエキゾチックなムードを醸し出しています。

 

 

破壊されている部分が無常感を漂わせている

さらにもうひとつ、代表的な日本的な感性のひとつとして、「無常感(移ろいやすい、はかないといった意味合いで使われています)」というものがありますが、長い歴史の中で、ところどころ破壊されていたり、崩れていたりするアンコールワットの姿は、無常感をも備えていて、訪れる日本人に「いつか見た光景」であるといったような、錯覚すら感じさせます。
このようにアンコールワットは、日本人の感性に響いている要素を多く持っているのです。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.