【第1回】カンボジアの至宝!アンコールワットの歴史
東南アジアのインドシナ半島にあるカンボジアは、正式名カンボジア王国(クメール語でプレアリアチアナーチャッカンプチア)といいます。
文化圏としては近隣のタイ(かつてはシャムと呼ばれていました)やベトナム、インドネシアに近い国で、現在の首都はプノンペンです。
9世紀~15世紀頃にかけては、クメール王朝という国として栄えていました。
このクメール王朝は別名アンコール王朝とも呼ばれ、その時代にヒンドゥー教寺院として建設されたのが、世界的に有名な遺跡、アンコールワットです。
スーリヤヴァルマン2世が建設した
アンコールワットは、12世紀前半に、アンコール王朝の当時の王である、スーリヤヴァルマン2世(1113年に即位した王です)によって作られました。
建設にかかった歳月は、30年以上におよんだ、といわれています。
場所は、現在のカンボジアのシェムリアップ州シェムリアップ市で、首都プノンペンからバスで約8~9時間、飛行機で約40分、距離にして約320キロメートルという位置にあります。
シェムリアップ市の市街地からは車で20分という距離で、鉄道機関はなく、車やレンタサイクルで移動することになります。
寺院の面積は約200ヘクタールで、東京ドーム約15個分という広大な寺院です。
日本語に訳すと「王都の寺院」の意味
アンコールワットの語源・意味は、クメール語でアンコールが「王都」、ワットが「寺院」です。
アンコールワットは、クメール王朝時代に建設されたクメール建築の最高傑作と呼ばれていて、現在のカンボジア国旗の中にも、そのモチーフが引用されているほど、カンボジアを象徴する存在となっています。
アンコールワットの完成は12世紀末頃で、スーリヤヴァルマン2世の死後、王を祀る霊廟として存在し、現在に至っています(完成直後の、王が健在時には、アンコールワットはヒンドゥー教の神ヴィシュヌに捧げらました)。
世界三大仏教遺跡といわれている
アンコールワット付近には、同時代の遺跡が多数点在しており、周辺の広大な遺跡群全体を含めて、アンコール遺跡と呼ばれています。
この地に建設されたアンコールワットは、もともとはヒンドゥー教寺院として建設されているにもかかわらず、ミャンマーのバガン、インドネシアのボロブドゥールとあわせて、世界三大仏教遺跡といわれています。
これは、アンコール王朝の王の信仰する宗教の変移によってもたらされているのですが、その間も絶えず信仰の対象であり続けたアンコールワットは、独特でユニークな存在感を放っています。