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ツタンカーメン王の墓の発見から考える古代のロマン

王家の谷
 
エジプトはルクソールの王家の谷は、古代エジプト新王国(紀元前1570年~紀元前1070年頃とされています)時代の王達が多数眠っていて、現在確認されているだけでも、90人以上の王が葬られています。その中でも、1922年11月に発見されたツタンカーメン王の墓は、他の王達の墓と異なり、約2000点余りの副葬品や、王を讃える黄金のマスクなどが、3000年以上も盗掘にあうこともなく、ほぼ完全な形で発見されたことで、考古学会最大の奇跡ともいわれています。ツタンカーメンの墓は、現在でも世界中の人々の興味や視線を集め続けています。

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黄金に彩られた古代のロマン

ツタンカーメン王をはじめとした古代エジプトの王達の墓や、新王国よりもさらに前の時代に建設されたというピラミッドやスフィンクス像など、はるか昔に作られた古代の遺跡の数々は、こんにちにおいても私達の心を捉えてやみません。古代の遺跡や王家の墓の魅力のひとつに、豪華な装飾品や副葬品に彩られている、ということがあげられます。そもそも王家の人達の墓であるため、現在の尺度で考えればいわば「セレブ」であり、現代でもセレブの暮らし振りが注目される理由と同じく、黄金に彩られた古代王朝の痕跡は、羨望と好奇心を伴って、私達の心に響いてきます。

 

創造力を掻き立てる、断片的な事実

また、古代のロマンのもうひとつの大きな魅力は、副葬品や墓、ミイラなどから読み取れる事実がきわめて断片的であり、行間を読む余地がたくさん残されている、ということもあげることができます。例えばツタンカーメン王の人となりとして、両親が近親婚であったため、生まれつき虚弱体質であったことが伝えられていますが、過去に遡って実際に見たり聞いたりすることは不可能であるため、当時の真実が完全に判明することは、現時点では「まずありえない」、といえます。ツタンカーメン王の死因についても然りで、暗殺説や病死説、事故死説など諸説ありますが、確かめるすべはもはやありません。残された記録や物的証拠をたよりに、さまざまな思いをめぐらせることができることも、古代の魅力のひとつである、といえそうです。

 

新たな発見の可能性が尽きない

それから、調査や研究の歩みと、科学の進歩が並行で進んでいくことで、古代エジプトのさまざまな謎が、今後も新たな展開を見せていく可能性があることも、魅力のひとつである、といえます。実際に、DNA鑑定技術やCTスキャン技術などが進んだことで、ツタンカーメン王の親族の秘密や、身体的な特徴などが明らかになったのですが、これはごく近年のことです。このように、古代文明のロマンは、全人類の共通の興味として、これからも私達を楽しませてくれることでしょう。

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カテゴリ: その他

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