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ツタンカーメン王~ロマン溢れる古代エジプトの謎の象徴的存在

ツタンカーメン
 
エジプトはルクソール(古代の地名ではテーベ)の、ナイル川周辺には、王家の谷と呼ばれる、古代エジプトの王家の墓が密集している場所があります。王家の谷の調査は、18世紀頃から進められており、60余りの王の墓が発見されていますが、その中でも特異な存在感を放ち、また世界的にももっとも有名な存在が、ツタンカーメン王です。

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王家の谷で発見された墓

王家の谷にある王の墓は、古代エジプトの学術的な時代分類においては、「新王国時代に作られたもの」とされていますが、岩に横穴をくりぬいて作った岩窟墓であり、それ以前の古王国時代や中王国時代に作られていたピラミッド型の墓とは、まったく異なる形状をしています(当時横行していた盗掘防止のために、形状を大きく変えたのではないか、といわれています)。ツタンカーメン王(古代エジプトの呼び名をトゥトアンクアメンといいます)の墓は、1922年に、この王家の谷で発見されました。ですので、ピラミッド型ではなく、岩窟墓です。王家の谷では、墓が発見された後に学術調査がなされた順に、KV(Kings Valley、つまり王家の谷の頭文字)という通し番号が付与されていますが、ツタンカーメン王の墓は、KV62とかなり後ろの方の番号が振られているように、王家の谷にある墓の中では、最後のほうに発見されたものです。

 

副葬品が残っていた珍しい例も

ツタンカーメン王の墓のユニークなところは、他の墓の多くが盗掘にあっていて、装飾品や副葬品が既に盗まれた状態の墓が大半であるなかで、一部の宝石類は抜き取られていたものの、ほぼ完全な状態で発掘されたところにあります。このため、ミイラにつけられていたマスクや、一緒に埋葬されていた副葬品等が、今も世界中の美術館で公開されています。

 

多くの謎を秘めるツタンカーメン

ツタンカーメン王には、発見前から多くの謎があり、「考古学者泣かせの存在」ともいわれていました。なぜならば、古代エジプトの歴代の王をあらわすリストに存在していないにもかかわらず、その名が刻印された指輪や装飾品が断片的に発見されたり、実在していたか否かを示す、はっきりとした証拠が見つかっていなかったからです。ツタンカーメン王の墓の発見によって、その存在が明確になり、調査も進んだのですが、死因や当時の状態など、まだはっきりとはわかっていない部分も多くあります。だからこそ、現代においてもツタンカーメン王は、「古代エジプトのロマン」を象徴する存在であり続けているのです。

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カテゴリ: その他

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