ストーンヘンジはいつできた？15世紀を要した謎のミッション

 
イングランドにある、巨石群からなる環状列石遺跡であるストーンヘンジは、イングランドの首都ロンドンから約200キロメートルという、世界的な資本主義経済の中心のひとつでもある都市部から比較的近い場所に存在しているにもかかわらず、南半球にあるイースター島のモアイや、ペルーあるナスカの地上絵と同様に、「人智の及ばない謎の領域」として、全貌の解明はなされないまま、現在に至っています。謎の存在であるストーンヘンジは、いったいいつごろ建設されたのでしょうか。

年代は特定されつつある

ストーンヘンジは、トリリトンといわれる、中心部の馬蹄型に配置された組石と、その周囲を円状に囲んでいるメンヒルと呼ばれる巨石群に加えて、周囲には土塁（土でできた堤防上の壁）が存在し、全体ではかなり大掛かりな建造物となっています。

最初期の建造物としては、周囲にある土塁という説が有力ですが、紀元前3100年頃作られたとされていて、その建造には後期白亜紀（8630万年から8360万年前の時代とされています）の発掘物が使われているといいますから、にわかには信じがたい歴史を持っている可能性がある、といえます。

巨石で構成された環状列石の部分は、紀元前2500年から紀元前2000年に作られた、といわれています。この年代の正確性については、発掘された証跡や、構成されている石の成分の検証などから、かなり妥当性が確保されている、と考えられています。

建設時期は3つの年代に分けられる？

ストーンヘンジは、土塁の部分と環状列石の部分で、建設された年代が数百年も離れているのですが、さらに遡って、なんと紀元前8000年という時期に、現代でいうところの基礎工事に相当する柱の穴が作られていたのではないか、といわれています。このように考えると、ストーンヘンジの建設については、基礎部分と土塁部分、それに環状列石部分の3つの年代を経由して、全体が建設されていったのではないか、と思われます。

完成までに1500年もの年月を要した？

また、環状列石部分が作られた年代の幅は、紀元前2500年から紀元前2000年とされていますが、一説によると、「紀元前1500年頃まで、建造に期間を要していた」との学説もあり、建造着手から完成まで、数百年どころか1500年という途方もない期間がかけられていた可能性もあります。「完成させる」というミッションを、どうやって後世に伝えていったのか、誰が何のためにそのミッションを担い続けたのかなど、ストーンヘンジの建造には、今も疑問は絶えることはありません。

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