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神獣グリフォンが紐付けられたキリスト教における大罪とは?

7つの大罪,7つの原罪
キリスト教(主にカトリック)の世界の用語に「7つの大罪」という言葉があります。宗教的には「罪そのもの」というよりも、「罪をおかしてしまう可能性を生む欲望」を指している、とされています。鷲とライオンの身体的特徴をあわせもつ伝説の神獣グリフォンは、この7つの大罪のうちの「傲慢」を象徴している、といわれています。

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キリスト教の7つの大罪とは

キリスト教における「7つの大罪」は、人間が罪をおかしてしまう元となる欲望を7つあげています。「元となる欲望」という意味合いのため、日本では「7つの原罪」ともいわれています。その内訳として、「傲慢」、「嫉妬」、「憤怒」、「怠惰」、「強欲」、「暴食」、「色欲」が定義されています(ちなみにもともとは原罪は8つあったとされていて、7つの大罪のうちの「嫉妬」を除いた6つに、「虚飾」、「憂鬱」を加えた8つを「枢要罪」としています)。中世の悪魔学では、7つの大罪それぞれに適応する悪魔が指定されていますが、この説とは別に、神獣グリフォンが「傲慢」の象徴である、といわれています。悪魔学では「ルシファー」という悪魔が「傲慢」の象徴とされていますが、グリフォンとは異なり、人間に近い姿を持っています。7つの大罪と悪魔の紐付けが一般的になったのは、16世紀の版画家ハンス・ブルクマイアーによる版画がベースである、というのが通説になっています。

 

7つの大罪に紐付けられた動物

「傲慢」の象徴には、グリフォンのほかにもライオンや孔雀も指定されています。「嫉妬」は蛇や犬、「憤怒」はユニコーンやドラゴン、「怠惰」は熊や驢馬、「強欲」はキツネやハリネズミ、「暴食」は豚やハエ、「色欲」はサソリや山羊とされ、なかでも「傲慢」はすべての罪の元になる感情として、もっとも重い罪であるとされています。

 

傲慢と誇りは紙一重

日本語の「傲慢」は、英訳すると「arrogance(アロガンス)」なのですが、7つの大罪では「pride(プライド)」となっています。これは、グリフォンやライオンの誇り高い姿からも想像できるように、「プライド=誇り」をも象徴しているのではないか、と考えられます。誇り高いことは、ある意味「驕りたかぶること」と紙一重の部分もあり、キリスト教や英語のニュアンスとして、アロガンスよりもプライドのほうが「7つの大罪のうちのもっとも重い罪」としてしっくりくるものなのかもしれません。「財宝の守護獣」といわれるグリフォンですが、一方で人間の原罪の象徴としても扱われているところは、西洋文化の懐の深さを感じさせます。

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カテゴリ: その他

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