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ライオンと鷲との合成神獣グリフォンに与えられた役割とは?

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一般に鳥の王様といえば鷲、動物(百獣)の王といえばライオンですが、この2つの動物の王の特徴をあわせ持つという伝説の魔獣、それがグリフォン(または英語読みでグリフィン)です。「高貴な神獣」といわれているグリフォンは、どのような役目を持っているのでしょうか。

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鷲の上半身にライオンの下半身を持つ

グリフォンは、金色をした鷲の上半身を持ち、下半身は白いライオンの姿をしている、と伝えられています。語源はギリシャ語のグリューポス、またはラテン語のグリュープスといわれ、「曲がったくちばし」という意味を持ちます。語源からギリシャ神話に登場する神獣であるといわれることの多いグリフォンですが、ギリシャ神話には実は登場していないようです。しかし、かなり古い書物(ギリシャのヘロドトスが著した『歴史』や聖書など)の中にも登場しているため、その発祥は紀元前の昔である、と考えられています。一説によると、紀元前3500年という古い時代のメソポタミア平原のスーサの遺跡から、グリフォンのような合成獣の姿が見つかっているそうです。

 

グリフォンの役目とは

物語において、グリフォンの重要な役目として伝えられていることは大きく2つあります。1つは、「神々の車を引くこと」であり、このため馬とはライバル関係にあったといわれています。またもう1つの役目は、「財宝を守ること」です。グリフォンの住処にはたくさんの財宝があり、グリフォンは上空から財宝を狙う者を監視していて、見つかってしまった者は、グリフォンの持つするどいくちばしで引き裂かれてしまう、とのことです。先にご紹介したヘロドトスの『歴史』の中で「黄金を守る守護獣」として描かれているのをはじめ、「金銀財宝」と組み合わせて語られている物語が多いことも、グリフォンの特徴のひとつです。

 

エデンの園の番をしている?

また、聖書の世界に登場する「エデンの園」を守っている守護獣である、という説もあります。これは、旧約聖書に出てくる神獣ケルブ(またはケルビム)をグリフォンと同一視したことから生まれた説である、とのことです。ケルブの姿はいわゆる「天使(人間に近い姿で翼を持っている)」として描かれることが多く、グリフォンとは違ったイメージなのですが、旧約聖書の中で「ケルブは4つの顔を持っていて、ひとつは人間、右に獅子、左に牛、後ろが鷲の顔」という記述があるため、グリフォンが同一視されたのではないか、と考えられます。

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カテゴリ: その他

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