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炎のように舞う…不死鳥「フェニックス」の誕生と歴史

火の鳥 鳳凰 フェニックス
世界各地の伝承の中に、「不死鳥伝説」があります。現代においても、「不死鳥のごとく蘇った」、「久遠の不死鳥フェニックス」、「フェニックス=炎のような舞い」といった表現が一般的にもなされているほど、フェニックスの存在は浸透している、といえます。鳳凰や火の鳥と同一視されることも多い不死鳥フェニックスですが、どのように誕生し、現代に伝えられることになったのでしょうか。

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発祥はエジプトの神話か?

フェニックスの発祥には諸説あり、キリスト教やイスラム教が生まれる以前に、エジプトで信仰されていた概念をもとにしたエジプト神話に出てくる霊鳥ベンヌ(朝日をあらわします)が発祥との説や、現シリアやレバノンの場所にあたる古代フェニキアの護国の鳥といわれる「フェニキアクス」がベースである、との説が存在していますが、正確にははっきりしていない、とされています。その後キリスト教やイスラム教といった宗教が広まっていく中で、宗教的な力を持つ「神の象徴としての鳥=神獣」として、その存在が定着していきました。

 

フェニックスの語源と対訳

語源としてはギリシャ語の「ポイニクス」といわれていて、意味は「深紅の鳥」、「華麗な色」、「ヤシの木」などであるといいます。フェニックスは、日本では火の鳥や不死鳥といった対訳をなされることが多く、そのイメージは赤または黄色で描かれることが非常に多い、といえます。紀元前400~500年頃のペルシアや古代エジプトの時代に記されたヘロドトスの『歴史』という著書や、ローマの大プリニウスが著した『博物誌』などに、既にフェニックスは現在のキャラクターとほぼ同様のイメージで描かれていますので、その発祥はかなり古いものである、といえそうです。

 

錬金術の世界でも語られているフェニックス

また、紀元前の古代エジプトから中世にかけて研究されていた錬金術の世界においても、フェニックスは「500年に一度、自分の体を焼き、残った灰の中から新たに蘇る(架空の)鳥」と位置づけられ、完全性をあらわす「賢者の石(金以外の金属を金に変えたり、人間を不老不死にすることができる)」の赤い色を象徴する存在として扱われていました。また、19世紀にコラン・ド・プランシーが当時流行した悪魔憑きや幽霊、魔術などの怪奇趣味を集めて解説した『地獄の辞典』という著書では、フェニックスは「地獄の大侯爵」として登場していて、不死鳥の姿と子供の声を持つ異型の存在として描かれています。

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カテゴリ: その他

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