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カエルの姿で現れる?ロシア・東欧の水の精霊「ヴォジャノーイ」

湖
 
世界各地に存在する精霊伝承は、お国柄をあらわすようにそのキャラクターはさまざまなのですが、ロシアや東欧に伝わる精霊にも、独特でユニークなキャラクターがたくさん存在します。ここではそんなロシアや東欧の精霊伝承のひとつ、水の精霊ヴォジャノーイをご紹介します。

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ヴォジャノーイの意味

水の精霊ヴォジャノーイの名前は、水を意味する「voda」に由来しています。ロシアや東欧諸国ではヴォジャノーイと呼ばれていますが、ドイツやチェコなどの中欧諸国ではヴォドニークと呼ばれています。

 

カエルのような姿を持つ水の守り神

四精霊のひとり、水の精霊ウンディーネは、美しい人間の女性のような姿をしていますが、ロシア・東欧のヴォジャノーイは、カエルのような風貌に人間の髭のよなものをはやしたような、非常にユニークな姿をしています。その姿は時と場合によって変化するといわれていて、人間の老人、大きな魚の姿、巨人など、さまざまな形態に変わることができます。ウンディーネとは違い、ヴォジャノーイは男性として描かれています(とはいえ女性に変化することもできるそうです)。ヴォジャノーイは河や湖などの水辺に住み、「水の守り神」のような存在として、人間によってなんらかの開発や加工がなされることを好んでいない、とされています。このあたり、日本の概念にもある「河の神様」などと近い存在であるかもしれません。また、ヴォジャノーイは不老不死である、とも伝えられています。

 

怒りを鎮めるためにいけにえを供えたことも?

ヴォジャノーイの変幻自在の姿と同様に、伝承されている物語の内容もさまざまで、中には「人間のことを嫌うヴォジャノーイが、しばしば河の近辺を歩く人間を河に引きずり込んだり、河が開発されて、流れを制御されたことに怒ったヴォジャノーイが、土手や水門を破壊しようとしたりすることから、ヴォジャノーイを鎮めるために、河の岸辺を歩く人を河に突き落とす」といった、いわば「いけにえを提供する」ようなこともあったようです。ただし、時と場合によってはヴォジャノーイは人間の味方として活動することもあったようで、嵐の際に人を助けたり、たくさん魚を捕ることができるように計らったり、ということも語られています。日本における「河の神様」への取り組み方と同じように、「過ぎたるは及ばざるが如し」の戒めに則って、水の精霊=自然を敬って、バランスを考えながら、水辺の環境開発や浄化をおこなっていくための抑止力や分水嶺になっていた、と思われます。

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カテゴリ: その他

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