> >

虹色に輝く水の精霊「ウンディーネ(ニンフ)」の言い伝え

パワースポット
 
かつて「万物の中に魂が宿っている」といった考え方をベースに、自然界の中には目に見えない不思議な生き物が存在している、という思想が信じられている時期がありました。この考え方においては、自然界を大きく四つに分けて考え、水・地・風・火を四大元素(=エレメント)ととらえ、それぞれに宿る目に見えない存在を「精霊=四精霊」としてあがめていたのです。ここでは、四精霊のうちのひとり、水の精霊ウンディーネをご紹介します。

スポンサードリンク


 

哲学者パラケルススが示した四精霊

四精霊の考え方が具体的に示され、世に広まったきっかけのひとつが、16世紀に活躍した、医師であり思想家、哲学者であり、錬金術師でもあったスイスのパラケルスス氏の著書『ニンフ、シルフ、ピグミー、サラマンダー、精霊の書(または妖精の書)』です。この書物は、パラケルススの死後、『大哲学』という作品集に収録されました。この書物によると、精霊は人間でも霊でもなく、その中間的な存在である、と解説しています。四精霊のうちのひとりである水の精は、ニンフまたはウンディーネと名づけられていて、性別はない、とされています。

 

ウンディーネの名前の由来

ウンディ-ネという名前は、もとはラテン語の「unda(波の意味)」と「ine(女性が使う形容詞語尾)」の組み合わせて形成されており、性別はないとされているものの、その後作られた多くの物語では、たいていが女性として描かれています。先に紹介した『妖精の書』では、「人間の男性と一緒になることで初めて魂を得ることができる」、とされています。「人の姿をしているが、人間と違って魂はない」ため、結婚したり、夫の浮気を発見すると殺さなければならないといった制約があったりして、人間ではないとされていながら、非常に擬人的な存在として伝えられています。

 

別名「ニンフ」

ウンディーネは、別名オンディーヌともニンフともいわれていますが、先ほどご紹介したパラケルススの著書のあとにフランスで出版された小説『ガバリス伯爵(著者はヴィラール)』では、オンディーヌという名前で記されていた、ということです。ウンディーネは、霊視能力のある人間からは「虹色に輝いて見える」とされていて、これらの伝説をベースに、その後も多くの舞台や物語が作られています。有名なものには19世紀頃のドイツのロマン主義作家であるフーケの『ウンディーネ』や、18世紀のドイツの詩人ゲーテの「ファウスト』などがあります。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.