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龍はバージョンアップする?聖書の中のドラゴンの位置付けと特徴

ドラゴン
 
伝承や伝説、想像上の動物とされるキャラクターの中でも、西洋東洋問わず群を抜いて知名度の高い不思議な生物、それがドラゴンです。ドラゴンは、アジア圏でも「龍」または「竜」と訳されて、西洋の竜とは若干姿かたちは異なるものの、似たような特徴を持つ不思議な生物の代表的なもののひとつです。ここでは、聖書の中のドラゴンの位置付けや特徴をご紹介します。

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ドラゴンの発祥と特徴

ドラゴンの語源は、ギリシャ語の「ドラコーン」といわれていて、「はっきりと見る、凝視する」という意味を持っています。その姿は、全体感としては爬虫類のような特徴を持って伝えられています。ウロコのようなもので覆われ、恐竜のような大きな体、鋭い牙やとがった爪を持ち、トカゲやへびの親玉のような姿をしています。口から炎をはいたり、空を飛ぶための翼をもっていたりします。もとはギリシャ神話などにも存在するほど歴史の古い生物なのですが、中世ヨーロッパのキリスト教台頭の中で、ギリシャ神話などの伝承の中でさまざまな形で伝えられてきたドラゴンは、特定のイメージを与えられることになります。

 

ドラゴンと聖書との関係

キリスト教における聖書は文字通りバイブルであり、聖書に登場する動物は、すべて神が創った、というストーリーにもとづいています。このため、聖書で語られるドラゴンの姿が真であり、正しい性格づけである、とされました。

聖書の中ではドラゴンは完全に悪役で、聖書にあるヨハネの黙示録の中では、「全世界を欺き続けてきた、古くて大きなへび」といった定義がなされ、ドラゴンは「悪の巣窟」として天使ミカエルやその仲間の目の仇にされ、「退治された=手下と一緒に天界から地上に投げ落とされた」ことになっています。

当時聖書の記載内容にうち、登場するものの物理的な形状や性格付けを含めて、今よりもずっと「正しいもと」とされていました。聖書というバイブルは、いわば百科事典の位置付けもかねていたのです。そんな中でドラゴンは、中世において「悪の象徴」としてのキャラクターが確立されてしまいました。ただし、すべての国々が悪とみなしていたかというとそうではなく、キリスト教の普及度にも関連していました。

 

近代に入ってキャラを再構築

中世キリスト教で定着したキャラクターは、その後長い間不動のものとして取り扱われていきましたが、時が経ちダーウィンやコロンブスが新種の動物を発見したり、学説として進化論を浸透させたりしていく中で、キリスト教における聖書が現代のように「概念的なもの」に変わっていき、ようやくドラゴンは「悪の象徴」から脱却することができるようになります。その結果、さまざまなキャラクターが描かれるようになり、おなじみの「エルマーと龍」や、「不思議の国のアリス」などで、個性的なドラゴンが表現されるようになっていったのです。こうしてこんにちのドラゴン像ができあがっていき、今もバージョンアップを続けているのです。

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カテゴリ: その他

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