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ギリシャ神話の半人半馬ケンタウロスがポピュラーな存在になった理由

ケンタウロス
 
人間の上半身をもち、下半身の部分が馬の姿、厳密には馬の首の部分が人間の上半身といった形状をしている想像上の動物で、もともとはギリシャ神話で描かれていたキャラクターなのですが、今では世界中でその存在が知られている有名なキャラクターのひとつです。ケンタウロス(またはケンタウルス)座という星座も存在しています。ここでは、ケンタウロスが世界に知られるようになった原因や背景を考察していきます。

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ギリシャ神話の設定

ギリシャ神話の中のケンタウロスは、登場人物の中のテッサイアのイクシオン王が、神であるゼウスの妻にそっくりなネペレ(雲と訳されています)と関係を持って誕生した、といわれています。個人の名称ではなく、半人半馬の種族として名付けられています。その性格付けは、「粗暴で好色、戦闘的で大酒飲み」といった、あまりよくないものとして語られていますが、神話の中ではあくまでも種族ケンタウロスとしての全体的な性格付けであり、種族の中にはいろいろな性格のケンタウロスがいて、例えば神話に出てくるケイロンという名のケンタウロスは、優しさや知性を持った賢者として描かれています。

 

ケンタウロスを描いた美術作品

ケンタウロスのキャラクターは、ギリシャ神話をベースにした星座の物語に登場したり、美術作品の分野でアーティストに描かれたりして、世界的に広まっていきました。中でも有名なのが、1400年代に活躍したイタリアルネッサンスの巨匠のひとり、ミケランジェロの「ケンタウロスの戦い」です。この時代に多く作られている「浮彫絵画」であるこの作品は、ギリシャ神話の中の「ラピタイ族とケンタウロスの戦い」というエピソードがベースになっている、とのことです。こういった美術品や、小説や舞台、映画が数多く作られ、ケンタウロスのキャラクターが広く浸透していきました。

 

心と魂の戦い

ミケランジェロの「ケンタウロスの戦い」をめぐる解釈は諸説ありますが、その中に「心と魂の心理的な葛藤を描いている」という見方があります。当時新プラトン主義ともいわれていたこの考え方は、「プラトン的な愛によって人間は神の領域に近づくことができる」という考え方の延長線上にある、と思われますが、現在でも「プラトニックラブ」という表現がなされているとおり、人間が抱えてきた普遍的な問題意識である、といえそうです。このような背景から、ケンタウロスも世界的に知られるキャラクターになっていったのです。

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カテゴリ: その他

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