> >

復活した死体「ゾンビ」とは?ブードゥー教、秘密の宗教儀式

荒れた墓場
 
ブードゥー教の文化圏において語られ続けている生ける屍(しかばね)「ゾンビ」は、その昔アフリカ諸国から奴隷として他の国々に移り住んでいった人々によって伝えられていき、その後全世界に広まった、といわれています。「ゾンビ」は、何をどのようにすれば、その不気味な姿をあらわすことになるのでしょうか。

スポンサードリンク


 

ブードゥー教の基礎が広まったハイチ

ブードゥー教の普及にもっとも貢献したといわれている国のひとつに「ハイチ共和国」があります。「ハイチ共和国」は、中央アメリカに属する西インド諸島にある、大アンティル諸島の中のイスパニョーラという島に存在している共和制国家です。もともとは、紀元前4000年頃から後にインディアンと命名される人々が居住していた地域で、1400年代にコロンブスがこの島を発見し、1800年代にはラテンアメリカ初の黒人による独立国家として独立を果たした国でもあります。

 

政治的にも環境的にも不安定だったハイチ

ハイチは、独立を果たすまで、また独立してからも、政治的社会的な意味でも、自然災害に多く見舞われる点においても、非常に不安定な国としても知られています。独立国家となった以降も、内部で南北に分かれて紛争が巻き起こったり、1900年代に入ってからも軍部によるクーデターが起こったり、世界恐慌のあおりを受けて不安定な経済状態を経験したり、近年2010年には大きな地震に見舞われたりと、なかなか安定したイメージを築くことができないまま、現在に至っています。そんな歴史の中で、ゾンビ伝説は、ブードゥー教の考え方と共に、根強く語り継がれてきています。

 

宗教儀式とゾンビパウダー

ブードゥー教には「ボコ」と呼ばれる司祭(キリスト教における牧師や神父、日本における神主のようなものでしょうか)が存在し、宗教儀式の一切を取り仕切ります。これは現在でも存在しているそうで、この宗教儀式の中に「死者の復活儀式」があります。これは、厳密にいうと「何らかの罪を犯した、または事情があって臨まれた亡くなったような人を、さらに貶めるような儀式がおこなわれ、儀式によって貶められた人が、不本意ながら復活する」といった意味合いを持つものだそうです。土葬の慣習を持つハイチにおいて、ボコが死体を掘り出して、何度も死者の名前を呼ぶと、死者が起き上がって歩き出す、というのです。

宗教儀式で使用される特殊な物質は「ゾンビパウダー」と呼ばれ、ボコはこの物質を使うことと、名前を呼び続けることで、使者を復活させる、とのことです。一度ゾンビとして復活してしまうと、未来永劫奴隷として働かされ続けることになるというので、死者の親族はそうさせまいと、毒薬を使って肉体を消滅させようとしたり、ボコの儀式がおこなわれる前に死者を切り刻んでしまったり、といったことをおこなうそうです。なんともおぞましい話で、本当に現代でも信じられているのかどうか疑わしいところもありますが、こういった信仰に関する通説が存在していることも、また事実なのです。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.