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ケルト民族の間で今も息づく妖精「フェアリー」の起源を紐解く

フェアリー妖精
 
西洋の一般的な妖精伝承のなかでも、「妖精フェアリー」は有名なもののひとつです。ラテン語で「運命」を意味する「ファタ」という言葉が語源といわれている「フェアリー」ですが、現代の英語でも、おとぎ話を意味する「フェアリーテール」という言葉の中にも使われています。「妖精フェアリー」は、どのような生い立ちを持つのでしょうか。

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ケルト民族の伝承

フェアリーは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドあたりをあらわす「ケルト民族」の伝承として、ゲルマン民族の「妖精エルフ」などとともに、現代に伝わる妖精伝承のひとつです。ケルト民族は、古代ローマ時代には「ガリア人」ともいわれていた民族で、紀元前1200年~紀元前500年頃の「ハルシュタット文化」を発祥させた民族として知られています。

現代における「ケルト」という言葉は、民族というよりも、特定地方の言語や文化をあらわす用語として使用されており、ブリテン諸島のアイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォール、ブルターニュ地方が該当する文化圏である、とされています。

 

妖精フェアリーの起源

「妖精フェアリー」の起源は、前述の古代ローマ時代の「ハルシュタット文化」にまでさかのぼる、といわれています。ゲール語の神話である「アイルランド神話」、「スコットランド神話」、ブリソン諸語の「ウェールズ神話」などが当時から伝わっている代表的な神話なのですが、これらの神話伝承の中で、さまざまな姿の「妖精フェアリー」が登場しています。こびとの姿をしていたり、人間より大きなものとして描かれていたり、中には「火の玉(日本でいうところの人魂のようなもの)」として描かれていたり、ドラゴンの姿で描かれているものも「妖精フェアリー」に含まれていたりします。また、「冷たい鉄が苦手」であるとか、「人間に対して非常に好意的である」、といった、性格付けに関する記載も多く見られます。

 

文学の中での妖精フェアリー

神話から端を発して、長い期間をかけてヨーロッパの人々の間で伝承されてきた「妖精フェアリー」は、その後、さまざまな時代に、童話や戯曲といった文学的な分野の中でもおおく描かれてきました。代表的なものに『グリム童話』や、イギリス・ルネサンス演劇を代表する劇作家であるシェークスピアの『真夏の夜の夢』があります。これらの中に登場する「妖精フェアリー」には、ケルト人に脈々と受け継がれている地方文化が色濃く反映されているため、必ずしも子供向けのおとぎ話だけではない、大人の教訓的なものの象徴として描かれていることも少なくありません。当地の人々の心の中に、「妖精フェアリー」は今も息づいているのです。

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カテゴリ: その他

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