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吸血鬼伝説のルーツは何?ヴァンパイアの伝承の謎を考察する

怖い話
 
「吸血鬼」というキャラクターをご存知の方は多いのではないでしょうか。人の姿(男性の場合も女性の場合もあります)をしていて、人間の血液が主食であるという、なんとも不気味な存在です。

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「吸血鬼伝説」は、日本でもドラマや映画の題材として使われることも多いのですが、もとは外国発祥の概念です。一説によると、吸血鬼はかつて実在し、外国における魔女裁判の対象と同じような位置づけ(=実在の人間の中から」「吸血鬼」に該当する人間を見つけ出して迫害する、といったこと)で、人々の間でとらえらえられていた、といわれています。本当に実在していたのでしょうか。

 

1700年代からその概念は存在していた?

吸血鬼は、英語で「VAMPIRE(ヴァンパイア)」も呼ばれていますが、この単語自体は1700年代の書物に既に記載されていたようで、語源としてはかなり古いものであり、大昔に既にその存在が意識されていたことがわかります。一説によると、スラブ民族の人たちの間では、4世紀頃に既に認識されていた、とのことです(当時の民話に既に登場しています)。また伝承されている吸血鬼の特徴として、十字架やニンニクが苦手、昼間は棺おけで眠っていて、夜虫や小動物に姿を変えて棺おけから出てきて活動する、心臓に杭を打ち付けないと死なない、等、キリスト教圏ならではの属性付けがなされているところは、大変ユニークです。主な吸血鬼伝説は、ヨーロッパのドイツやギリシャ、イギリスなどで多く見られますが、中にはロシアででも吸血鬼がかたられることもあるとのことです。やはりそのイメージは、おおむね先ほど申し上げたようなもののようです。

 

死者の特性が反映された吸血鬼

伝承されている吸血鬼のキャラクターには何種類かあり、人の姿をしているものの他、大きなコウモリ(顔は人間)というもの、それから幽霊のように姿をもたないもの、といった描かれ方をしているものもあります。これらのキャラクター設定に共通しているのが、「既に死んでしまっている=死者である」という概念です。大昔から「血液は生命の源」という考え方が浸透していたため、死んでしまった人間が血液を手に入れると生き返るのではないか、死者は血液を欲しているのではないか、という考え方です。このような「彼らは死者である」というベースの概念が、吸血鬼のキャラクターにある種の一貫性を持たせることになっています。

 

吸血鬼はいるという研究者も

これまでご紹介した歴史や事例では、「どうやら吸血鬼は民話や伝承上の存在であり、人間が死者をとらえるときのイメージのひとつ」といったとらえかたができそうなのですが、「実在するのではないか」と考えて、研究を続けている人は現代にも存在しています。たとえば2009年頃から、アメリカはニューオーリンズやバッファローで伝えられている吸血鬼の存在を調査した人もいるそうで(ジョン・エドガー・ブローニング氏)、氏によると「見た目は普通の人間と変わらないのでわかりにくいが、根気よく探せば見つかる。実際にヒアリングを通じて見つかった吸血鬼は数十人にのぼり、男女比率はおよそ半々、年齢は10代から50代まで多岐にわたる」と語っています。現時点で信憑性についてのジャッジは難しいですが、かつてからいわれている吸血鬼の特性を持った人間(厳密には人間以外の生物)が、存在しないと断言できない以上、存在する可能性もゼロではない、といえそうです。

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カテゴリ: その他

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