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日本のジンクス、西洋のジンクス…思考の違いはジンクスに現れる!


 
ジンクスは、ゲン担ぎや占い、ことわざや慣用句と並んで、「不思議なパワーと含蓄を持つ言葉」として人気があります。日本では「茶柱が立つと良いことがある」に代表されるような、ポジティブなジンクスもたくさん存在していますが、西洋では、「13の数字は不吉」といったように、基本的に「不吉な結果になることを示す」ジンクスが多いそうです。

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この違いはどこから来ているのでしょうか。ここでは、日本と西洋のジンクスの違いを考察していきます。

 

偶然は偶然という日本の捉え方

まず、日本の伝統的な考え方を掘り下げて見ます。日本は、文学の世界で端的に見られるように、昔から「無常」をベースとして、偶然を偶然としてとらえます。1240~1300年頃に記された平家物語の冒頭部分、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」はあまりにも有名ですが、この「世の中に起こることはすべて無常=移ろいやすく、不確かなもの」といった考え方の先にわび・さびがあると考えられます。日本の文化がどこか達観したイメージを感じさせたり、ジンクスに良いものも悪いものもあったりするところは、「偶然を偶然としてとらえる」日本独特の価値観が関係している、と思われます。

 

論理的思考をベースとした西洋文化

次に西洋の考え方ですが、日本の考え方と比較すると、西洋では「論理的な思考」がベースとなっていて、「偶然は(どちらかというと)オカルト的な位置づけ」としてとらえられており、「風情やうつろい」といった概念は希薄です。ジンクスの持つ「○○すると△△になる」といった論理的な構成が、もともと西洋発祥であることもうなずけます(ジンクスという言葉が英語であるように、もとは西洋で生まれた概念です)。また、冒頭で述べたように、日本は「縁起のよいこと」もジンクスに含みますが、欧米のジンクスでは、基本的に「縁起の悪いこと」をあらわしています。このあたりも、「偶然の結果として、良いことも悪いことも起きうる」と考える日本とは違い、西洋のジンクスの捉え方は、「リスク対策」といった側面を強く感じさせます。

 

ジンクスに現れる西洋と日本の違い

このように考えていくと、日本と西洋のジンクスのニュアンスの違いは、実は「ベースの考え方の違いによる、言い回しの違い」なのではないか、ということに気がつきます。なぜならば、「ジンクスの示す意味=教訓は同じである」からです。たとえば欧米の「不吉な結果になることを示す」ジンクスのひとつに、「月がかけている(=満月でないとき)と新しい服をおろすと不幸になる」というものがありますが、これを日本風に言い換えると、「満月に服をおろすと良いことがある」となります。言い回しひとつでかなりイメージが変わりますが、ジンクスが伝えたい意味=教訓としては同じです。ベースの考え方ひとつで表現が変わるところは、そもそもの日本と西洋の違いをもあらわしていて、興味深いですね。

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カテゴリ: その他

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