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政治的判断?生きるための指針?生死に直結した戦国時代のジンクス


 
現代の社会において、ジンクスはたくさん存在していますが、その昔、戦国時代にもジンクスという概念はあったようです。日本における戦国時代とは、時代というよりも「乱世の時期」といった意味合いなので、何年から何年まで、といった明確な区分けはありませんが、おおよそ1400年代から1600年代くらいまでを指しているようです(飢饉がほぼ消滅するまでは、戦争が日常的に起こる世の中だったといわれています)。ここでは、戦国時代のジンクスをいくつかご紹介します。

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出陣で酌をするとき足を引いてはならない

戦国時代のジンクスには、その性質を体現しているような「人の生き死に」に関わるようなジンクスがたくさん存在していました。その中のひとつに、「出陣で酌をするとき足を引いてはならない」というものがあります。これは、目上の者に対して、目下のものが出陣の際のお酒の酌をする場合に、酌をしたあと足を引くことを禁じたジンクスで、「引く=戦に負ける」というところを意識してできたジンクスだと思われます。戦に負けることは、そのまま死に直結することですので、こういった縁起担ぎも非常に気にされていたことがうかがえます。

 

当主が変わるとそれまでの災いがなくなる

戦国時代の背景には、基本的に飢饉がありました。飢饉は、雨不足や天災等で農作物を思うように収穫することができず、結果的に食料不足が起こって、戦を起こさないと領地内が立ちいかなくなるため、他の領地に攻め込む、といったサイクルでした。そんな中で、飢饉で税をおさめられない農民の苦しみや、飢饉からくる領地内の民衆のあらゆる不満をおさえるため、「当主が変わるとそれまでの災いがなくなる」といったジンクスを流布して、当主を変えて流れを変えることを実施していた、と考えられます。

 

倹約すれば国は栄える

先ほど述べた「飢饉による民主の不満を、当主交替によりおさえこむ」のと同じような問題に対する対策として使われていたジンクスが「倹約すれば国は栄える」です。慕われていた武将の場合には、自らが率先して倹約することで、配下の民衆もそれを見習って、結果的に万一に備えた備蓄をおこなうことができ、戦をしかけなければならないような事態を回避できる、と考えて作られた、ある意味合理的なジンクスである、といえます。このように、生き死にに直結するような問題=飢饉が身近だった時代には、ジンクスといえども非常に重要な「生きるための指針」であった、と思われます。

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カテゴリ: その他

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