姿を消したシュメール人と旧約聖書に見るアブラハムの遍歴の謎
メソポタミア文明を開いたシュメール人が紀元前2,000年頃に突然姿を消します。後のイスラエルの10支族のように連れ去られて追放されたか、どこかに移住したか、事故でその地で死亡したか分かっていません。旧約聖書にあるアブラハム(当初はアブラム)のカナン各地の遍歴もちょうどこの頃なのです。関連があるのでしょうか。
1. 旧約聖書アブラハムの記述要約
旧約聖書創世記によれば、アブラハムはヤハウェの指示で家族や使用人と共に多数の家畜を連れて各地を転々とします。主を畏敬する僕(しもべ)として描かれていますが、本当のことは何だったのでしょう。以下はアブラハムの各地遍歴に関連する章の要約です。
10章
大洪水後にノア(シュメールの記録ではジウスドラ)の息子(セム、ハム、ヤペテ)から分かれ出た種族と住んだ土地の記述です。
11章
(1) 章の冒頭は有名なバベルの塔の記述です。人々がバビロンに高い塔を建てようとして神の怒りを買い、言葉を乱され、各地に追放されます。
(2) ノアの子のセムからアブラムの父(テラ)までの父祖の系列が記述されます。ジウスドラはエンキと地球人の間の子なので、父テラもアブラムも高貴な出自です。
(3) テラの息子(長男アブラム、次男ナホル、三男ハラン)とその家族の記述です。ハランはウルの地で息子ロトを残して死亡し、その娘は次男ナホルの妻になっています。妻(サライ)が不妊のためアブラムには後継ぎがいません。なお、後の章でアブラムはサライが異母妹だといいます。
(4) ウルを離れ、テラは家族と共にカナンを目指しますが、ハラン(メソポタミア北西部の交通の要衝)に住んでそこで205才の生涯を閉じます。
12章
アブラムが75才のとき、主の指示で甥のロトを連れて南方のカナンの地に向かいそこを転々とします。そのなかで飢饉に見舞われエジプトに寄留します。サライの美貌のゆえにでしょうか、王パロの厚遇を受けますが、アブラムの妻であることがわかり立ち退きを求められます。パロに贈られた分を含め、多数の山羊・羊・らくだなどを連れてエジプトを去ります。
13章
(1) エジプトから北上してネゲブに至り、さらに北上してカナンのもとの住まいのあった地に戻ります。
(2) 家畜に与える水や草にまつわる争いを避けるため、甥のロトは東部の豊かなヨルダンの地に移らせます。アブラムは主の指示で南のヘブロンの地に移ります。
14章
シナル王、エラナル王、エラム王、ゴイム王の連合が各地を侵略したので、ソドム王、ゴモラ王、アデマ王、ゼボイム王、ゾアル王の連合が立ち向かいます。しかし、ソドム王とゴモラ王は負けてしまい財産や人が略奪されます。ソドムにいた甥のロトと家族も彼らに連れ去られたと知り、アブラハムは訓練した家の子らを連れて奪還に向かい、追いついて戦い人の略奪品も奪還します。
15章
主は、アブラムに後継ぎの子が得られること、ただし子孫はある地で400年もの間奴隷のように使役されるが、脱出して栄えることをアブラハムに伝えます。
16章
子がないサライはエジプト人の召使い(ハガル)をアブラムに差し出します。妊娠したハガルは女主人を見下すような振る舞いをするのでサライはつらくあたります。耐えられずにハガルは逃げ出しますが、戻って子を産み、名前をイシマエルと名づけなさいと主の使いがハガルを勇気づけます。ハガルに子が生まれたときアブラムは86才でした。
17章
アブラハムが99才のとき、主が現れてアブラムと契約を結びます。アブラムが多くの国民の父となってアブラハムと呼ばれることについてです。この契約の印としてすべての男子の割礼を命じます。また妻はサライではなくサラと言うこと、授けられた男の子をイサクと名づけよと命じます。
18章
(1) アブラハムが住むマムレの地に主と二人の連れが現れます。アブラハムは急いでパンを焼かせ、子牛を料理させます。妻のサラに来春には男の子が生まれているでしょうと言われ、戸口で聞いていたサラは老人なので子が生まれることはあり得ないと思って笑います。主にできないことはないのだと主にたしなめられます。
(2) ソドムとゴモラの叫びは大きくしかも罪が重いので、主はその確認にきたのだとアブラハムに告げます。
19章
主のみ使いの二人が夕暮れにソドムの町に着きます。町の入り口に座していたロトは、宿を提供するため家に招きいれます。住民が二人を外に出せと怒鳴りますが応じずに夜があけます。み使いの二人はロトに家族を連れて高い山に逃げるよう指示します。山まで逃げ切れないので、ロトはより近い小さな町に逃げさせてくれと頼みます。み使いはその町にロトが着くまでは攻撃しないことを約束します。そのあと二人は硫黄と火を天からソドムとゴモラの町に降らせ、生き物も人も草木も滅ぼします。ロトの妻は逃げる途中で振り返ったため塩の柱に化します。後ろをみてはならないと忠告されていたのです。
20章
アブラハムはネゲブの地に行きます。妹だと言ったのでゲラルの王はサラを王宮に招きます。主が王に彼女は人妻なのでアブラハムに返すよう命じ、主の力を恐れた王は銀千シケルをアブラハムに与え、国のどこに住んでもよいといいます。
21章
サラは身ごもりイサクを生みます。アブラハムはイサクの乳離れを祝って盛大な振る舞いをします。ハガルの子のイシマエルがイサクと遊ぶのを見たサラは、ハガルとイシマエルを遠ざけるようアブラハムに求めます。主の指示もあり、アブラハムはハガルとイシマエルを去らせます。主の祝福を受けてハガルとイシマエルはバランの荒地に住み、成長したイシマエルは弓を射る者になります。
22章
(1) 主はイサクを犠牲に捧げるように指示します。老年になって得たただ1人の子を犠牲にしなければならないことに絶望しつつも、アブラハムは指示されたモリヤ山にイサクを連れて登り、祭壇を築きイサクを捧げようとします。まさにそのとき、主の使いが天から声をかけます。すなわち、童に手をかけてはならぬと止めます。アブラハムの主への忠実さが分かったとして、アブラハムを祝福し子孫を繁栄させることを伝えます。
(2) 章の最後に弟ナホルのために妻ミルカが産んだ8人の息子の記述があります。息子の1人ペトエルの娘が後にイサクの妻となるリベカです。
23章から25章
サラはヘブロンの地で死亡します。127才でした。アブラハムは畑を買いそこの穴にサラを葬ります。老いの進んだアブラハムは息子イサクの妻を自分の肉親の中から探させます。弟ナホルの姪のリベカです。アブラハムはケトラと再婚し子孫を残します。そして175才で亡くなります。
2. 解説
旧約聖書の創世記では、遊牧民の族長アブラハムが神への忠誠を示しつつカナン周辺の地を主の指示でへめぐる物語になっています。本当は、祭祀階級のアブラハムがアヌンナキの地球司令官であるエンリルの命令で宇宙空港を防衛する任務を果たす物語です。
(1) アブラムは祭司階級の人
父テラも息子アブラムもジウスドラの子孫ですから祭司階級の人です。妻サライも異母妹なので王族の1人です。テラは自分のことをイブルイ(イブルの民)と称したようです。これはシュメール語のニブルイ(ニップールの人)です。テラはニップールの神官だったようです。
(2) 長命遺伝子の衰え
始祖のセムから父テラやアブラハムに至る人たちの寿命は次第に短くなっていったようです。長命遺伝子の衰えが進んでいたのでしょう。セムの家系は地球人ではなくアヌンナキの血の入った地球人なのです。
(3) 大洪水後の宇宙港施設
大洪水のあと、故郷星(ニビル)と往来する宇宙空港施設が新たに構築されます。これまでのメソポタミアの施設が泥に埋没したからです。新施設の管制センターはエルサレムに、空港はシナイ半島に近い北緯30度線上の地に、誘導標識はアララテ山とシナイ半島のカテリナ山とキザのピラミッドの三角形で構成されます。
(4) 神々の社会
この時代のアヌンナキは人間の王(祭司階級)を通して人間を支配しました。そのアヌンナキ社会はエンリル派とエンキ派に分かれ、それぞれの都市に住んでいます。人間は都市の王に従属し、それぞれの王は特定のアヌンナキの支配下にあります。エンキ派の中でもマルドゥク(エンキの長男)は権力欲がすこぶる強く(それなりの理由があるのですが)、アヌンナキの社会に種々の問題を起こし、何度も罪を得て諸国を放浪します。
(5) バベルの塔事件
マルドゥクの息子のナブが父の信奉者を各地から呼び集め、父のため空の船の塔をもつ町を作ろうとした事件です。地球の支配者であるエンリルは建設を中止するよう説得しますが失敗に終わります。エンリル派は空の船を使って建設中の塔と野営施設を徹底的に破壊し、指導者と信奉者の言葉を混乱させ、国外に追放しました。マルドゥクはバビロンを随一の都市にしたかったようです。
(6) シナイ半島の宇宙空港の破壊
アヌンナキ社会の支配者になるというマルドゥクの野望で攻撃は繰り返されます。今度はシナイ半島にある宇宙港の占拠です。マルドゥクを信奉する部下や地球人の部隊がシナイ半島の宇宙空港に向かいます。アヌンナキの評議会はついに空港を核爆弾で破壊する議決をします。核攻撃はエンリルの後継者ニヌルタとエンキの息子ネルガルです。彼らは核兵器で宇宙空港を徹底的に破壊します。マルドゥクに渡さぬための最後の最後の手段でした。攻撃は宇宙空港だけではありませんでした。マルドゥクの信奉者がいる地域も攻撃の対象になりました。ソドムとゴモラの町の破壊は核兵器によります。
3. アブラムはエンリル派
(1) アブラハムも父テラも神官の血統であり単なる遊牧民ではありません。妻のサラも同様です。父がニップールからウルに移ったのは紀元前2100年頃のことです。ちょうどウルナンム王によるウル第三王朝が始まった頃です。
(2) アブラハムがハランからカナンに発つ頃、マルドゥクもハランに来ていました。マルドゥクにはエンリルに代わって地球の支配者になるという野望があり、シュメールからエジプトに至る各地の王に自分に味方するよう工作していました。
(3) 第14章にある王連合同士の戦いもエンリル派との戦いと解せます。甥のロトを救出するため王連合を追跡し勝利したことは、アブラハムがラクダ隊を含む戦闘集団の指導者であることを示しています。12章と20章の王とサラの記述は、エンリル派の王との情報交換や戦力の補充のためです。
(4) 神との契約はシナイ半島の宇宙空港の防備だったと思います。実際には宇宙空港はエンリルの命令で二人のアヌンナキが空の船から核兵器を放つことで破壊され、防衛する必要がなくなります。核攻撃の巻き添えにならぬよう避難の指示がなされたはずです。なお、放射能を含む風によりシュメールの地は死の町に変わりました。
4. まとめ
人類の始祖といわれるアブラハムが、遊牧民の族長として主の指示でカナンの地をへめぐる話は、シナイ半島にある宇宙空港を守るための偵察と防衛の行動であったことを説明しました。宇宙空港とソドム・ゴモラの町は二人のアヌンナキによる核兵器攻撃で徹底的に破壊されます。