> >

氷河期にアメリカ大陸へと移住した東アジア人達 その足取りを追う!


定説では数万年前に中国北部に住む東アジア人が氷河期の終焉前にアメリカ大陸に移動したとされます。本稿ではこの移動の謎を簡単に紹介します。

スポンサードリンク


 
なお、関野吉晴氏は南米のチリから出発し、北米に渡り、ベーリング海峡を渡ってロシア、蒙古、天山山脈の北側を通り、さらにカスピ海の南端、シリア、エジプトを経て、アフリカのタンザニア迄の行程を人力で走破した冒険家です。氏はこの旅行を本にしています、古代史に興味のある方、ビジネスや受験に押し潰されそうになっている方におすすめします。

 

1. 今のアメリカ大陸の住民は

 現在、大陸にはどんな人たちが住んでいるのでしょう。

 
(1) 北米大陸

北米大陸のカナダ・アメリカ合衆国・メキシコに住む人の多くは大航海時代以降にヨーロッパから移住した人たちの子孫です。彼らの父祖には新大陸だったでしょう。しかし先住民族には父祖の代よりはるか以前から住み続けてきた土地でした。さらにアフリカから奴隷として連れて来られた人もいます。

先住民はどうでしょうか。ツンドラ地帯にはイヌイット・ヌイット(エスキモー)民族が住み、アリューシャン列島のアリュート民族が住んでいます。その他の地域にはインディアン族が住んでいます。北部のインディアンは皮膚が赤黒く鼻筋が通っていますが、他の地のインディアンは東アジア系の外見をもつといわれます。インディアンの多くは白人との抗争で殺戮され、土地を奪われ、主な食料のバッファローを捕獲され生活の基盤も失いました。父祖の地とは関係のない居留地を指定されそこに住んでいます。

 
(2) 中米

グァテマラ、ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマの7国があります。人種は国ほどの違いがあるのでしょうか。

 
(3) 南米大陸

南米大陸には、太平洋に面する国々(コロンビア、エクアドル、ペルー、チリ)、カリブ海に面する国々(ヘネズエラやガイアナやスリナム)、大西洋に面した国々(ブラジル、ウルグァイ、アルゼンチン)、海のない国(ボリビア、パラグアイ)などがあります。カリブ海にはキューバ、ドミニカ共和国などの島国があります。

大航海時代以降、南米大陸にはスペイン人が進出しました。彼らは大土地所有にもとづく大規模な農業を展開してきました。先住民族やアフリカの奴隷を労働力としていました。近世になるとイタリヤやスペインからの季節労働者が労働力を提供しています。

スペイン人との激しい抗争を展開したブラジル・アルゼンチン・ウルグァイなどでは戦死によって先住民の数が減りました。他の地域には先住民族の子孫が残っていますが、白人や黒人と混血した人たちもいます。また、アマゾンの奥地には今も先住民が生活しています。

 

2. 東アジア人が北米大陸へ渡る

サハラの悪環境に長い間耐えた人たちです。心身における強い忍耐力が移動に役立ったことは確かでしょう。

 

2.1 北米大陸に移動した時期

最終氷河期が終わる前後という説もありますが、拡散するには時間がかかるため、氷河期の終焉より前に移動したとする説が有力です。なお、北米大陸への移動はある時期に限られるものではなく、繰り返し波状的に移動がなされたと考えられます。なお、エスキモー民族はやや遅れて移動したため、先住者の抵抗で南下が阻止されたのではないかとも言われています。

 

2.2 北米大陸へのルート

(1) ベーリンジア

ユーラシア大陸と北米大陸との間にベーリング海峡があります、海峡の水深は浅いところで50メートルほどです。潮の流れは速いうえに天候や風向も急変します。現在でも人力での横断は危険が伴います。氷河期が終わる紀元前12,000年頃には海面が50から100メートルほど上昇したようです。そうなら、氷河期にはこの海峡は氷で覆われた陸地(ベーリンジアという)のはずです。アジア大陸からのアジア人はこの地を通って北米大陸に渡れたはずです。

(2) 氷の回廊

北米には二つの山脈が南北に伸びています。山脈に沿って数キロから数十キロの間隔で氷床がありました。氷の回廊と言われています。長い氷の回廊を通過するのには困難が予想されます。このため人類の南下は回廊が発達する前になされたのではないかと考えられています。数万年前に人類は北米大陸の北部を南下したとする説です。

 

2.3 どんな民族が移動したか

移動した民族は東アジアで寒冷地適応を成し遂げた新モンゴロイドです。その源流はアフリカのサハラ砂漠の東南部に長く留まって砂漠の厳しさを体験した民族です。およそ5万年前にサハラ近くの避難地を離れ、アラビア半島の海岸沿いを辿り、イラン経由で東南アジアに至り、中国の内陸部を北上して中国東北部に至りこの間に寒冷期適応をした民族です。

 

2.4 移動の経路は

食料の確保が前提です。大型動物のいる北米はよいとしても、南米大陸での食料は何をどのように調達できたでしょう。詳細は今後の考古学の成果に期待しなければなりません。また、密林や砂漠地帯の移動は困難なことから、常識的には太平洋の海岸線を移動したものと思います。

 

3. 驚くべき人類の旅

南北に長いアメリカ大陸を最北端のアラスカから最南端のパタゴニアまで達する人類の旅には驚嘆すべき活力を感じます。人類のこの偉大な移動の歴史は南への移動を駆り立てた理由を含め、何としても解明されねばなりません。移動という行為は時代の新旧を問わず、未知の危険に直面し克服する機会を与えるもので、人類の発展の源となる行為です。それにしても旧石器時代を遡る遥か昔に何が人類を駆り立てたのでしょう。

さて、アメリカ大陸に渡った東アジア民族は、寒冷地に適応した人たちで、一重まぶたで、髭を含めて体毛が薄いという特徴があります。旧約聖書のアダムの子、カインの末裔という人もいます。創世記に書かれていることがらの多くはユダヤ人が直接体験したことではありません。突飛と思われるかもしれませんが、事実との突き合わせの研究が必要です。人類の進歩には真実から目をそむけてはならず、真実を追い求め続けなければなりません。

このエントリーをはてなブックマークに追加


スポンサードリンク
スポンサードリンク

カテゴリ: その他

Comments are closed.